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父・純一からギャラを着服されていた

90年代には数々の人気ドラマに出演、また「フェミ男ブーム」のアイコンとして一世を風靡したいしだ壱成(48)。しかし、その栄光は2001年に大麻取締法違反(所持)で現行犯逮捕されたことにより一転する。

どん底時代の彼に寄り添ったのが、観月ありさ(46)や安藤政信(47)ら芸能界での盟友だったというが、「家族」である父・石田純一(68)もまた、そばに寄り添い、彼を力づけた。しかし、それまでも紆余曲折あった父子の関係性は、一筋縄ではいかない。
2011年、いしだは女性誌のインタビューに「父・純一からギャラを着服されていた」ことを告発する。

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インタビューに応じるいしだ壱成
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「父は事件を犯した後の僕に寄り添ってはくれました。しかし、それまで僕のギャラを使い込んでいたという件もあり、すぐにわだかまりが解けたわけではなかった。本当に、父子としてのしこりが無くなったのは、やはり父が理子ちゃん(※2009年プロゴルファーの東尾理子と再婚)と、そして僕が前妻と再婚して、4年前に長女が生まれた頃からですね。そのあたりから、もう昔のお金のことなんかは置いといて、となった。

なかでも、前妻との離婚が決まったときには心配して、父は僕が当時暮らしていた石川県まで来てくれました。離婚を決めたときには、もう、芸能界に復帰して芸能の道でやっていくということは決めていたから、そのことを伝えると『社会復帰して、本来の道を行ってくれるのはうれしい』と喜んでくれていました」

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石田親子の初共演、制作進行中の「散歩屋ケンちゃん」より

雨降って地固まる――。父子は長い年月を経て、いまでは「家族」としての在りようを取り戻している。

一方で実母である星川マリ氏(67)とも、現在も変わらず連絡を取り続けているという、いしだだが、もうひとり彼には“母”と呼ぶ存在がいる。それが、純一の二番目の妻である松原千明(享年64)だ。松原は2022年10月にハワイのマンションで急逝していたことが報じられた。いしだは訃報をマスコミからの連絡で知ったという。

「千明さんは、僕が芸能界に入った頃には特によくしてくれました。当時、父はトレンディ俳優として多忙を極めており、なかなか会うことができなかったんですが、そんなときには千明さんを頼っていた。

一緒に住んではおらず、僕が泊りに行く形だったのですが、『お腹がすいた』といえばふぐを食べに連れて行ってくれたり、時には、手料理をふるまってくれることもありました」

松原がかけてくれた言葉で、特に、いしだの印象に強く残っているのが「役者としての心得」だ。
「『芝居は鏡だからね』って言葉ですね。『お芝居は鏡だから、自分のその時の状態がそのまま出るから(心身を)いつも整えておきなさい』って。“出して恥ずかしくない自分”を作っておきなさいって言われましたね」