出れば出るほど心身は削られていく

――ロングコートダディも今度、決勝に出るときは三度目となります。出場回数を重ねれば重ねるほど、いろいろな意味で、心身の負担は増えていきそうですよね。

兎 出れば出るほど心身は削られていくでしょうね。まず、前回の自分らを超えていかなきゃダメなんでね。前の方がおもろかったとか言われたら、きついじゃないですか。

ロングコートダディと賞レースの今後。「今後、キングオブコントは勝ちづらくなっちゃう気はします……」_3
M-1 、キングオブコントともに近年、ファナリストの常連となっているロングコートダディ。ただし、出場を重ねることによるつらさもあると語る兎

——調べてみたら、M-1よりもキングオブコントのほうが初出場組の優勝率が高いんですね。複数回出場している組が勝ったのは14回中6回しかないんです。

兎 え~。あと全部初出場ですか?

——はい。M-1は2021年の段階では、初出場組と複数回出場組の優勝割合は8回と8回で、ちょうど半々なんです。

兎 形がまったくバレていないというのは、やっぱり強いんですね。

——キングオブコントは、3回以上の出場で優勝している組は2組しかいませんでした。3回が空気階段、4回がジャルジャルです。

兎 うわ、ジャルジャルさんは、4回も出てるんや。

――2021年にM-1決勝に初出場したあとは、漫才とコントの仕事比率が8対2ぐらいになっているという話でしたが、今はどれくらいなのですか。

兎 6対4ぐらいで漫才ですかね。

堂前 今はM-1の時期やから漫才ばっかりしていますけど、それがなければそれぐらいやな。

――普通のコンビは、ネタをつくっている方がよくしゃべって、ネタを作っていない方は遠慮気味なものなのですが、ロングコートダディの場合は逆ですよね。兎さんの方が、ものすごく自由に話をする印象があります。いいですよね。

兎 そうなんです。

堂前 助かってます。

兎 責任感がないんぶん、逆に、何言ってもいいだろぐらいの感じなんで。

ロングコートダディと賞レースの今後。「今後、キングオブコントは勝ちづらくなっちゃう気はします……」_4
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取材・文/中村計 撮影/矢橋恵一

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