月350時間超の労働で涙が止まらない日々
――ずっと憧れていた企業に就職されたんですよね
中学生のときに、ゲームプロデューサーに密着したテレビ番組を見たんです。私はゲームボーイやプレイステーション、ドリームキャストなど、すべてのハードを持っているほどゲームが好きで、その会社のソフトもほとんどやっていました。それで、「これだ!」と。
1日10時間以上の受験勉強をして、大学でも夜20時まで授業を受け、憧れの企業で夢だったゲームクリエーターになれました。
――しかし、残業時間が多くて体調を崩されてしまったと
仕事自体は楽しかったんです。自分がプレイしていたゲームの続編も作らせてもらえましたし。
ただ、月350時間ほど働いていると体調が悪くなっていき、心と身体のバランスを崩しました。生理は100日間止まり、顔中には200個ものニキビが……。
思ったように身体が動かず、気づいたらめまいで倒れているとか、もう死にゆく直前。憧れの仕事ができているのに、「どうしてこうなっちゃったんだろう」と毎日泣いていましたね。
――転職は考えなかったのですか
転職活動はしましたが、転職はしませんでした。ゲーム制作って「ゲームを作るゲーム」をしている感覚なんです。どうやったら敵が出てくるか、どんな動きをさせようか。そのロジックを組むのが面白いので、ほかの仕事には興味が湧かず……。
そのうち、新規で立ち上がった部署に異動になりました。そこでの仕事が楽しくて、先陣切って部署を引っ張っていくうちに、体調も回復したんです。
とはいえ、そこでは年功序列が根強く、ヒットタイトルを作っても給与が上がらなかったので、数年後には年収を上げるために転職しました。