昨年10月期に放送された『最愛』(TBS系)の世帯平均視聴率は、最終話のみ10.9%と二桁に乗せたが、それ以外は一桁で全話平均は8%台。

だがヒット作と呼べる『最愛』の人気の高さを裏付けていたのも、TVerで樹立した記録だ。2021年10月から12月の全配信番組を対象とした再生数ランキングで、1位となる2280万再生を記録しており、これは当時のTVer歴代1位となる数字だったのだ。

ちなみに『最愛』は今年に入ってから、富山や岐阜といったロケ地を2日間かけて巡るオフィシャルバスツアーが実施されて話題となった。ドラマの公式ツアーが企画されるのは異例で、それだけ熱量の高いコアなファンがついていたからこそ実現したのだろう。

また、ほかにもTVerの2022年1月から3月の全配信番組を対象とした再生数ランキングでは、興味深い結果が出ていた。

全話の世帯平均視聴率が14%越えだった『DCU』(TBS系)が1473万再生で4位だったのに対し、全話で7%台だった『妻、小学生になる。』(TBS系)が1637万再生で2位、同じく全話で7%台だった『真犯人フラグ』(日本テレビ系)が1486万再生で3位だったのである。

視聴率ではほぼダブルスコアで勝利していた『DCU』が、TVerの再生数では『妻、小学生になる。』、『真犯人フラグ』に敗北したという結果は、視聴率に依存しないヒット作が生まれているという時代を如実に表しているように思う。

もちろんリアルタイムで最速視聴したいという人はまだまだ多いため、今でも視聴率がヒットか否かを判断する重要な指標のひとつであることは間違いない。ただし単話で数百万再生を稼ぎ出す見逃し配信のデータも、同じように重要な指標のひとつになっているのである。