新しく創造する仕事か、クソどうでもいい仕事か?

プロジェクト型の仕事をするひとは、誰もが自分の得意なものを持っているはずだから、そこはクリエイターとスペシャリストの世界だ。それに対してバックオフィス部門には、少数のマネージャー(管理者)と、時給で事務作業をするたくさんの労働者がいる。

クリエイターやスペシャリスト(クリエイティブクラス)は、プロジェクト単位で仕事の契約をして、バックオフィスの助けを借りながらコンテンツを完成させていく。彼ら/彼女たちの収入は時給ではなく、コンテンツが生み出した利益を分配する成果給だ。

それに応じて会社も、プロジェクトの進行を管理しつつ利害調整を行なうマネージャーと、経理や法務などバックオフィス部門の専門職に二極化していくだろう。――こうした仕事は、高給だがやりがいがない「ブルシットジョブ(クソどうでもいい仕事)」と呼ばれている。

テクノロジーの指数関数的な進歩によって、働き方は大きく変わりつつある。それでも会社はなくならないだろうが、日本の「サラリーマン」はクリエイティブクラスとバックオフィスに分離し、いずれ絶滅することは間違いない。

そんな「いま目の前にある未来世界」で、どのように生き延びるかを一人ひとりが真剣に考えなくてはならない。

文/橘玲