実は、本当のタイムリミットは来年7月

1つ目の理由は、登録の本当のタイムリミットは来年3月ではないからだ。

インボイスの登録期限は表向きには来年(2023年)3月と周知されている。しかし、あまり知られていないが、実際は来年7月頃に申請しても同年10月の開始に間に合う仕組みになっている。

なぜかと言うと、国税庁が公開するインボイス制度に関するQ&Aの「問7 適格請求書等保存方式が開始される2023年年10月1日から登録を受けるためには、いつまでに登録申請書を提出すればよいですか」の回答には、非常に重要な以下の内容が注釈にひっそりと記載されている。

2023年3月31日までに登録申請書を提出できなかったことにつき困難な事情がある場合に、2023年9月30日までの間に登録申請書にその困難な事情を記載して提出し、税務署長により適格請求書発行事業者の登録を受けたときは、2023年10月1日に登録を受けたこととみなされます。なお、「困難な事情」については、その困難の度合いは問いません。

出典:国税庁Q&A 2022年4月改訂

やや堅苦しい書き方なので噛み砕くと、主に以下2点が国税庁の公式見解として示されている。

① 「困難な事情」を記載して2023年9月30日までに提出すれば、2023年10月1日の開始に間に合う
② 「困難な事情」の困難の度合いは問わない

つまり「インボイス制度に登録すべきか迷っていた」「インボイス制度の理解に時間がかかった」等の誰もが当てはまる内容も「困難な事情」として認められるということだ。この解釈は、「インボイス制度の中止を求める税理士の会」の税理士らも同様の見解を示している。

ただし、登録番号の発行には数週間程度を要すると見られること、実際に多くの事業者がギリギリまで様子を静観した場合は手続きに想定以上の時間がかかる可能性を考慮して若干の余裕を持たせると、事業者が不利益(来年10月の開始時に登録が間に合わない)を被らずに登録を申請できるタイムリミットは来年(2023年)7月あたりと言える。