第3位:『ハングマン』(2015年)
続いてご紹介するのはP.O.V.ホラー映画、『ハングマン』(2015年)。
この映画はほぼ全編〝とあるストーカーが持つハンディカム視点〟および〝彼が標的とする四人家族の住まいに仕掛けた監視カメラ視点〟で描かれる。そのため、時々ストーカーの荒い息づかいが直に聞こえてくる仕様が嫌らしい。
「謎のストーカーに狙われた一家の悲劇を描く」本作、その見所はハングマンの不愉快極まりない挙動の数々にある。
具体的には、「深夜こっそり他人の家に忍び込み、冷蔵庫のオレンジジュースを勝手に取り出すと、直に容器に口をつけて飲む。そして一旦口に含んだオレンジジュースを、オエッ……ペッ……と淡でも吐くかのように容器に吐き戻し、そのまま仕舞い直す」など。
当然ターゲットにされた人々は、何も知らぬまま後日その〝ストーカーの吐き出した唾液混じりのオレンジジュース〟を飲んでしまうわけだ。
繰り返しになるが、不愉快極まりない。
ラストまで素顔のわからない、この変質者ハングマンは、ほかにも様々な奇行を繰り返し、一家を恐怖のどん底に陥れる。その結末は、ぜひご自身の目で見届けていただきたい。