筆者も経験したマルチ商法の夢と現実の差

筆者も20歳の頃、友人からマルチ商法(日本アムウェイではありません)に誘われましたが、不労所得が主な勧誘文句でしたし、今回のアムウェイのように、会社名や目的を明らかにせずに勧誘されました。

具体的には、突然友人から連絡があり、食事に誘われ、「夢はないのか?」と聞かれ、返事に困っているとロバートキヨサキさんの著書『金持ち父さん貧乏父さん』を薦められました。不労所得の素晴らしさを説かれ、「すごい先輩がいるから会ってみないか?」と手引きされ、そこで初めて会社名を聞くという流れでした。

都市部にお住まいの方であれば、繁華街の喫茶店などでマルチ商法に勧誘されている人を一度は見たことがあると思います。

正直に言うと、筆者はその勧誘でネットワークビジネスに加入し、少しの期間活動をしたこともありますが、決して楽して不労所得を手にできるようなビジネスモデルではありません。

当時、そのグループの中で不労所得を手にしていたのは「プレジデント」や「アンバサダー」といった大層な肩書を持ったシンボル的な人のみで、多くはお金のない学生やフリーターのような人ばかりでした。今思えば、あの白いスーツを着ていた(噓ではなく本当に着ていました)シンボル的な人も、本当にお金持ちだったのかさえ疑わしいです。

また、活動自体も地味で、ひたすら友人知人を勧誘していかないといけませんし、友人に連絡しても「マルチ?」と当たり前のように疑われ、結果として友人も失いました。それでも続けなければ収入にはなりませんので、続けていく必要があり、友人が尽きれば新規開拓も必要になってきます。

やっていることを簡単に言ってしまえば、ゴリゴリの営業です。今だからわかりますが、そこで結果を出せる営業能力があるのであれば、完全成果報酬制の保険営業をやっている方がよほど現実的です。その営業能力があれば年収1000万円くらいは達成できるはずです。