大きな災害が起きると、ガスの供給が一時止まることもある。そのため、非常時に湯を沸かし、加熱調理をするための「ガスバーナー」と呼ばれるガスコンロを用意したい。オススメは、アウトドアのトップブランドであるスノーピークが手掛ける「HOME & CAMPバーナー」のような、CB缶と呼ばれる規格のガス缶を利用するタイプ。

アウトドア用のガスバーナーはOD缶と呼ばれる専用缶を利用することが多いが、手軽に入手することは難しい。しかし家庭用カセットコンロなどに使用されているCB缶なら、コンビニエンスストアなどで手軽に買える。

ガスバーナーのメーカーは純正ガス缶の使用を推奨しているが、カセットコンロとガス缶の規格は、1998年に統一されている。これは、阪神・淡路大震災の際、救援物資で集めたコンロの規格に不一致が起きたことを受けたもの。さらに日本ガス機器検査協会(JIA)による認証制度をパスした「JIA認証」のマーク入りのCB缶なら、基本的には問題なく使用できる。

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▲「HOME & CAMPバーナー」で使用する燃料は写真右のCB缶。左のOD缶に比べ低温時の性能はやや劣るが、入手しやすく、汎用性が高いのが特徴。災害時には品薄になるので、こちらもストックしておきたい(撮影:杉山元洋)

「HOME & CAMPバーナー」の大きなメリットは、最大で30センチの大きな鍋を乗せられるフルサイズでありながら、コンパクトに収納できることと、多少の風が吹いても炎が安定するよう設計されている点だ。さすがアウトドアブランドである。

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▲「HOME & CAMPバーナー」(1万2100円)。バーナーの内側から炎が出る“内炎式”なので、多少の風が吹いても消えにくいのが頼もしい(撮影:杉山元洋)
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▲バーナーをたたんだ状態。最大30センチの大きな鍋にも対応するしっかりとした五徳は、折りたたんで本体内に収納することができる(撮影:杉山元洋)

このバーナー、発売直後の2019年10月に発生した台風19号の際は、多くの店舗で品切れになってしまったという。

「折りたたむと縦置きが可能なので、緊急時にすぐ持ち出しできるようにあえてしまい込まず、“見せる収納”をされているお客様もいらっしゃいます」(岡本さん)

家庭用のカセットコンロより割高だが、コンパクトに収納でき、キャンプに使え、非常時の備えにもなる信頼性は、むしろコストパフォーマンスに優れていると言えるだろう。