真っ黒な台本と真っ白な台本

――そんな2人だから、本人たちの思いはどうであれ比較されてしまうんですよね。

伊藤 弊社に『ネプリーグ』というクイズ番組があるじゃないですか? 最初はあの番組の『天の声』を僕が担当していて。

佐野 伊藤が10年やって、そのあと俺が引き継いで7年やって。

伊藤 2021年3月から、僕がまた担当しているんですけどね。戻ったその日に、番組スタッフが言うわけですよ。伊藤さんの台本は、渡されたときのままで綺麗ですけど佐野さんの台本って、書き込みで真っ黒なんですよねって。

佐野 だろう? それがね『めちゃイケ』と『みなさん』の違いなんですよ。僕はきっちりと台本に書き込む、緻密タイプだから。

伊藤 そう。緻密に書くのにしゃべりがちっとも緻密じゃないというね(笑)

佐野 だって……書き込んでおかないと忘れちゃうだろう?

伊藤 力の差は歴然ですね。

佐野 違うんだって。俺は全部書いて、ディレクターの要求に完璧に応えているけど、伊藤は人の話を聞いていないから、6割くらいしかやっていないんだよ。それなのに毎回“おれはやってやったぞ!”みたいな顔をしちゃってさ。

伊藤 え〜っ!? してないでしょう、そんな顔は? してる!? うそだぁ。

佐野 してるって。だから俺はいつも「佐野さん、ありがとうございました。佐野さんがいて、助かりました」って言われるけど、伊藤はあれだろう? 「お疲れさまっす」みたいな軽い感じだろう?

――あのぅ…念のためにお伺いしますが…。お二人の会話って、いつも、こんな感じなんですか?

佐野 いつもこんな感じ? 今日だけ特別? さぁ、正解はどっちでしょう?

――いつも、こんな感じ…なのかなぁと。

佐野 まあこんな感じです。

伊藤 やめなさいって、そういうのは(苦笑)。だから、先輩として立てようと思わなくなっちゃうんですよぉ。

佐野 立てろよ?

伊藤 最初は、ちゃんと立てていたんですけどね。

佐野 嘘だろ。最初からなかったろう?

伊藤 いや、ほら。佐野さんって、強めにいったほうが光るタイプの人だっていうのが、わかっちゃったから。それで、ですよ。

佐野 それって、褒めてる?

伊藤 もちろん、最大級の褒め言葉です。「イジると面白いひと」

佐野 うん。だったら、いいや。

「番組の演出にどう応えるかは、2大バラエティ番組に学んだ」フジの男性看板アナ、佐野アナと伊藤アナの仕事の流儀――_03

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後編「フジテレビ佐野・伊藤アナの海よりも深いテレビ愛」に続く
前編「若手時代はアナウンサー採用じゃなくて夜勤採用だったのかなと思ってました(笑)」はこちら

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取材・文/工藤晋 撮影/猪原悠