今から陸地配備に戻せないのか

海上自衛隊のイージス艦「あたご」 撮影/世良光弘
海上自衛隊のイージス艦「あたご」 撮影/世良光弘
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そこで提案がある。艦はいったん設計、建造されると、後から機能を継ぎ足すのは困難だ。かといって、あらかじめ冗長性を持たせ、大型化すればそれでよしとする論もあまりに安易だ。

ならば、ここは原点だった陸地配備に戻り、人口密集地を避けたうえで島嶼部にイージス・アショアを配置してみてはどうだろうか。

島嶼部だと迎撃後のブースターも海上に落下するので、住民の反対運動も起きにくい。陸上なので、仮想敵の脅威に対応するミサイルなどの追加配備もたやすい。すでに航空自衛隊の警戒監視レーダーサイトがある新潟県佐渡島や山口県萩市沖合にある見島などは有望な候補地となると思われる。

現在、アメリカは弾道ミサイルのほか、巡航ミサイルや極超音速ミサイルにも対応するため、グアム島にイージス・アショアを配備する計画を進めているのが現状だ。しかし、わが国は地上配備をやめ、ロマンあふれる「令和の大和」を日本海に浮かべようとしている。

本当にこのまま、「大砲巨艦主義」のまま、新型イージス建造を進めてよいのか? ことは国民の生命と安全に関わる。防衛省は説明責任を果たし、国民が納得できる落としどころを示すべきだろう。

文/世良光弘