学ぶ内容は自分で決めていく

――入学後、どういう内容を学ぶことができるのですか?

自分が専攻するコースを中心に学んでいきますが、その中でより詳しく何を学んでいくか、というのは自分次第でもあります。

例えば「アンサンブルクラス」という、全ての学科の生徒が集まる合奏のクラスがあります。
「ジェームスブラウン・アンサンブル」というクラスでは、ギターはギター学科の生徒、歌はボーカル学科の生徒、というふうに各パートが集まって、みんなでジェームス・ブラウンの楽曲・パフォーマンスの再現を目指します。
その他にも多様なジャンルのクラスがあり、インド音楽の「インディアンミュージックアンサンブル」なんてものや、実際に有名なミュージシャンがクラスの発表会に参加してくれることもあります。

あとは自分の楽器以外の先生のプライベートレッスンを受けることもできます。ドラムパフォーマンス科の生徒がベースの先生のプライベートレッスンを受けることも、その先生とセッションすることもOK。
「マイルス・デイビスと演奏したあの伝説のピアニストとセッション!」みたいなことが、実際に可能なんですね。

セッションだけでなく、その先生の貴重な実体験を聞くこともできます。
「マイルスと演奏した当時はどうだった?」みたいなプライベートな話を独り占めすることができるので、そういう観点で先生のレッスンを選ぶ人もいますね。

――JACKSONさんはどういうレッスンを受けていたのですか?

僕は興味を持った色々な先生のレッスンを、一通り受けてみました。

ある意味、先生達の技術が凄過ぎて、参考にならない部分もあるというか、真似しようとしても簡単には真似できないんです。ドラムの先生のレッスンを受けても、体格が良すぎて、先生みたいに軽く叩いても同じような音は出ません。

また、演奏が上手いレジェンド的な先生と、教えるのが上手い先生は、必ずしもイコールではありません。「レッスンを受けたい先生が、自分のスタイルに通じるか?」ということでも違ったりする。

だからこそ僕の場合は「自分のスタイルはこうだな」というのを見つけていくために、様々なレッスンに挑戦してみました。
でも、同じ先生のレッスンをずっと受ける人ももちろんいますよ。

まるで映画『セッション』の世界!? アメリカの超名門・バークリー音大の実態を聞いてみた_1
自宅のドラムセットを叩きながら、授業のニュアンスを伝えてくれるJACKSONさん
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――生徒同士の雰囲気はどうですか? 映画『セッション』のような「他人を蹴落としてでものし上がる」という風潮はありますか?

『セッション』は、バークリー音楽大学よりも更に少数精鋭で、エリートを多く輩出するジュリアード音楽院の方がイメージに近いかもしれないですね。
もちろん、バークリー音楽大学にもそういう“バチバチ”な雰囲気のクラスもあると思います。数名しか入れないエリートクラスは、そこに入れるかどうかで次の奨学金の内容も変わったりするので、多少の競争はあるかもしれません。

僕はどちらかというと、“仲良しグループ的”なクラスが多かったです。どんなジャンルもラテン風に弾きこなすピアニストがいたり、先生に引き抜かれてツアーに出てしまうほど上手な生徒もいたり(その間の授業は休講)、色々なレベルのプレイヤーがいた感じですね。