「難しければ難しい仕事ほど燃えるんですよね」

『仮面ライダークウガ』から今年8月末まで放送された『仮面ライダーリバイス』まで、藤林さんは約20年間で23曲の主題歌を手掛けた。一方で、『ONE PIECE』、『ドキドキ!プリキュア』、『暗殺教室』、『ジョジョの奇妙な冒険』など数々のテレビアニメの主題歌やオープニングテーマをはじめ、日本の有名アーティスト、BTS(防弾少年団)、BIGBANG、TWICEなどの韓国アーティストの作詞も担当。これほど多くの作品を生み出すことができる仕事術とは?

「作詞の方法は詞先と曲先の2種類があります。文字通り、私が詞を書いてから曲をつくるか、できあがった曲に私が詞をつけるかのどちらかです。私が書かせていただいた仮面ライダー主題歌では、最初の『クウガ』は詞先、その後いくつかを曲先でつくり、2005年の『仮面ライダー響鬼』で一度詞先に戻り、その後は曲先となっています。

毎回プロデューサーさんも違いますし、ライダーの世界観、キャラクターやルールの設定も変わるので、不確かな要素のほうが大きい。そこで大事になってくるのが、緻密な打ち合わせです。プロデューサーさんの思い描いている仮面ライダーの世界はどんなものだろう?と想像し、作品の本質をつかむこと。

とりわけ、仮面ライダーの場合は、まだできあがっていない作品の本質をつかまなければならないので、すでに完結しているアニメ作品よりも難易度は高い。60秒ほどのサイズで詞を書かなければならなかったり、不確定な部分があったりしますが、難しければ難しい仕事ほど燃えるんですよね(笑)。だからこそ仮面ライダーの作詞を続けて来られたのかもしれません。

仮面ライダーやアニメ作品の場合は、台本をしっかり読むのはもちろん、原作漫画も必ず目を通します。『ジョジョの奇妙な冒険』のようにとてつもない長編漫画は『ここは面白い』とか『このセリフはキーワードになる』という場面に付箋をはりながら読み進めることもありますね。ごく稀ですが、スケジュールが許せば一日中ソファーに座って漫画を読みふけることもあって、ふと、あれ、私、今仕事してるんだよね?と我に返ったり(笑)」

昭和の「戦え」から「戦おう」「戦うんだ」へ。“ヒーローソングの達人”藤林聖子が語る仮面ライダー歌詞の変遷_4