雲のモクモク度合いで雨が降るかどうかがわかる
夏の風物詩といえば、空にモクモクと立ち昇る白い雲です。夏は天気が急変しやすいですが、雲のモクモク度合いから雨が降りそうかどうかがわかるのです。
まず空に現れるのは積雲です。積雲の上部が平らなかたち(扁平積雲)のときは、雲が成長しにくい安定した大気の状態なので、晴れが続きます。一方、雲が成長しやすい不安定な大気の状態のときは、積雲の上部が盛り上がった並積雲が現れ、それが成長すると入道雲と呼ばれる雄大積雲に。雄大積雲の下ではシャワーのような雨が降っており、さらに雲が発達すると雷を伴う積乱雲になります。雲の発達できる限界の高さまで成長した積乱雲の上部には、かなとこ雲という横に広がる雲ができます。この下では土砂降りの雷雨になっています。
雲を見て天気の変化を予想することを、観天望気といいます。とくに夏の空のすごくモクモクした雲は、天気が急変するきざし。雨が降る前に、早めに帰宅しましょう。
積乱雲の下に見える「雨の柱」に要注意!
青空に突然暗い雲が広がってきた――。これは、積乱雲が近くで発達しているサインです。積乱雲が近づいてくると、雲の下に真っ暗な雨の柱(雨柱・雨脚)が見えることもあります。
積乱雲は、不安定な大気の状態で発達し、雷雨をもたらします。十種雲形のなかでもいちばん背が高く、ときには雲の頭が高度15㎞を超えることも。積乱雲のなかには水のつぶや氷の結晶があり、とくに強い上昇気流に伴って雪や霰が成長します。この雪や霰は落下しながら融けて、雨となって降ってきます。それが太い柱のように見えるのは、積乱雲の横方向の広がりが数㎞〜十数㎞と狭く、さらにその一部で勢いよく雨が降るためです。
積乱雲による局地的な大雨は「ゲリラ豪雨」と呼ばれることもあり、積乱雲が真上にくるとあっという間に土砂降りに。雨柱が見えるのは、とても近くまで積乱雲がやってきている証拠です。建物内にすぐに入って安全を確保しましょう。