ネオテニー(幼形成熟)の極みである日本人と短パンスタイル

ところで僕は、もしかしたら日本人はDNAレベルで、世界一短パンスタイルと相性がいい国民なのではないかとも思っている。

人類は、ネオテニー(幼形成熟)という生物現象の典型例だという話をご存知だろうか?
子供の状態を保ったまま性的成熟に至るネオテニーは、ウーパールーパーの俗称で知られる両生類・メキシコサンショウウオが有名だが、オオカミの子供の形のまま成熟するイヌなど、哺乳類でも数多くの例が見られる。

現代人の大人の顔つきはチンパンジーの幼児に似ていて、肌は体毛やシワが少なくスベスベしている。
本来であればヒトもチンパンジーのように、大人になればアゴが前方に突き出し、身体中に毛が生えて皮膚はシワだらけになるはずのところ、ネオテニーであるがゆえに子供っぽい姿のまま一生を終えるのだ。

ネオテニー(幼形成熟)の典型ともいえる日本男児は、世界一短パンが似合う国民なのだ!_4
チンパンジーは子供の方がヒトに似ている。PHOTO:Buffa(左), Richard Toller(右)/ともにflickrより
すべての画像を見る

そして人類の中でも東アジア人は、世界の他の地域の人と比べて体が小さく、頭は大きくて童顔、手足が短く体毛が少ないなど、ネオテニーの特徴が強く現れていることで知られる。
ネオテニーは身体的特徴だけではなく精神性に対しても用いられる概念だが、東アジア人の中でも日本人は特に、成熟よりも未熟を好む性向が強く、それが世界から注目されるマンガやアニメなどのいわゆるオタク系文化を育んだのではないかとも言われているのだ。

つまり何を言いたいかというと、“ネオテニー人間”の極致である我々日本人は、世界中で一番、短パン、いや半ズボンが似合うし、堂々と穿いていい人たちではないかと思うのだ。

だから、みんな夏は短パン穿こうぜ!

などと、53歳なのに無責任な感じで本稿を締めようと考えるのも、ネオテニー気質のなせる技なのかもしれない。

怒られそうなので最後に少しだけ、まじめに。
いまだ抵抗がある大人の男性も、TPOとコーディネートさえ間違えなければ、短パンスタイルはとてもおすすめだ。
長さは短すぎず長すぎず、膝が少し出るくらいのいわゆる「ハーフパンツ」を選び、サイズはバミューダパンツのようなパツパツのものではなく、ややゆとりのあるものがいいだろう。
トップスは普通のTシャツでもいいのだが、長袖Tシャツや衿付きの少しドレッシーなシャツ、ポロシャツなんかを合わせるとぐっと感じが良く見えるはず。

TPOをわきまえつつ、しっかりと考えた短パンコーディネートをすれば、夏場のオシャレ指数はぐっとアップする。

文/佐藤誠二朗