誰もが驚いたファイナルローズの決め手とは
バチェロレッテシーズン2のファイナルエピソードを見て、美紀さんが選んだ相手に驚愕した方は多いはず。筆者自身、これまで何度も長谷川をファイナルローズ予想に挙げており、彼女がマクファーの名を呼ぶまで「長谷川に違いない」と信じ切っていたからだ。
美紀さんにとって、ファイナルローズの決め手はどこにあったのか? それには、女性が結婚相手を見定める過程について、普遍的な示唆が含まれているように感じた。
美紀さんには旅の間、繰り返し口にしていた言葉がある。
長谷川に対しては「一緒にいると安心できて、自然体でいられる」「結婚後の姿が想像できる」。そしてマクファーに対しては「一途に思いを伝えてくれる」「ずっと変わらない、裏表のない人」と。
付き合う相手としては、マクファーは理想的かもしれない。しかし、結婚相手としては長谷川に軍配が上がっていたはず。長い人生をともにしていくうえで、飾らない姿で気を許し合えるのは必須条件のようなものだからだ。
しかし、美紀さんにとっての懸念点は”長谷川の成長”にあった。
あまり真っ直ぐに思いを伝えるのが得意ではなかった長谷川。何せ、最初のカクテルパーティでは一言も発せなかったほどだ。そんな彼が、美紀さんと出会ったことで少しずつ変わっていった。「好き」と口にできるようになり、思いをしたためた日記を見せられるまでになったのだ。
実際、長谷川の成長具合は、彼の家族が「こんなに正面から褒め言葉を言える人じゃなかった」と驚いていたことからも見て取れる。
この旅で、長谷川は成長した。彼もそれを自覚しており、良い変化だと捉えていた。
しかし、美紀さんにとっては不安材料に映ったのだ。
”変わる前の長谷川を知らない”その1点が、結婚後の”こんなはずじゃなかった”に変わるのでは……とダークな想像をしてしまったのだろう。
SHELLYも言っていたように、それは女性にとってのリアルだ。結婚後に豹変する人かもしれない、そんな一抹の不安を覚えてしまうのは、美紀さんに限ったことではないだろう。
最初から一貫して熱い愛を伝え続けてくれたマクファーとのほうが、安心できる結婚生活を思い描けたのかもしれない。
波乱万丈で、どこまでもリアルなバチェロレッテ。新しく幕が開いた2人の人生に、精一杯のエールを送りたい。
文/北村有
写真/© 2022 Warner Bros. International Television Production Limited