スマホを破壊され、離婚した夫婦も…
ということは、節度の範囲内での課金ならそんなに悪いということはないのではないか。考え方は様々だが、これはある意味で正である。課金に節度を持たせることができれば、自分に対しての罪悪感は軽減、もしくは完全に払拭される。
しかし、「自分が課金をしている」事実は、対外的にはやはりどうしても後ろめたい。特に、家計をともにし、自分の一番近くの存在である妻(または夫)に対して、「課金額を隠す」あるいは「課金していること自体を隠す」という既婚者プレイヤーは非常に多い。
ゲーム内で知り合った日本人プレイヤーと課金の話になると、「妻に知られたらまずい」「カードの明細は隠しています」といった定型句が交わされる。これらはもはや課金プレイヤー間における時候の挨拶のようなもので、共通の話題として浸透しているのである。筆者のギルドでは月間3万円以上を投じているプレイヤーなら大体、妻にその額を知られないようにしている。
自分(夫)がソシャゲに熱を上げているだけでも妻からすればよく思っていないのに、よもや課金していることなど知られたらスマホを破壊されるかもしれない……という恐怖が、彼らにはあるようである。プレイ時間が長かったことが妻の逆鱗に触れ、実際にアカウントを消されてしまった人や離婚に発展した人もいる。状況は夫婦によって千差万別である。
ケース①:「ゲームのプレイ」と「課金していること」の2点は妻の容認を得ているが、課金額は決して妻に公表できない夫
ケース②:重課金していて夫にカード明細を見せようとしない妻
ケース③:妻が元廃課金者で夫も課金を始めたが、地獄を知る妻から「あなたはヘビーな課金をしませんように」と釘を刺されつつもこっそりヘビーな課金をしている夫
もっとも課金することへの後ろめたさと課金額は連動しているので(額が大きいほど後ろめたい)、課金額が少ないゆえに妻にそれをつまびらかにし、許しが得られている場合もある。