「適切な支援があれば事件を防げた可能性があった」
一方、弁護側は優愛ちゃんが亡くなった結果の重大さを認めつつ、内藤被告が精神的に追い詰められていた事情や、行政の支援不足を考慮するよう求めた。
「弁護側は、内藤被告が元夫との口論や親権をめぐる不安から精神的に追い詰められ、『優愛ちゃんと一緒に浴槽でおぼれて死のうと考えていた』『包丁は自分のために用意していた』として、改めて無理心中を図ったと主張しました。
優愛ちゃんに繰り返し傷を負わせた記憶はなく、『意識がもうろうとするなかで、自分の体と間違えて娘を傷つけた可能性が残る』とも説明しています。
また、行政の部署間の連携不足で必要な支援が届かなかったと強調し、『適切な支援があれば事件を防げた可能性があった』と訴えました。事件後、世田谷区の障がい福祉担当者が『適切な対応をできなかった』と不備を認め、謝罪したことも挙げています」(同)
自首を量刑にどう反映させるかについても、検察側と弁護側の主張は対立した。
「弁護側は、内藤被告が自ら通報したことから『自首の成立』を刑を軽くする事情に挙げています。検察側も自首の成立は認めたものの、通報よりも先に、SNSのフォロワーに向けて夫への悪口や犯行を正当化する投稿を優先していたとして、『身勝手で、自己保身が顕著』『自首は量刑上、過度に重視すべき事情ではない』と主張しました」(同)
検察側は「将来の可能性があった優愛ちゃんの命を、守るべき実母が奪った結果は重大」と指摘。「娘の人生の重さを受け止めて重い刑に服してほしい」という父親の処罰感情も考慮すべきだとして、拘禁刑10年を求刑した。
一方、弁護側は「娘への愛情はあったものの、障害や支援不足で育児の見通しを持てず、無理心中をするしかないと思い詰めた」と主張。「現在は、優愛ちゃんの命を奪ったことを心から後悔している」として、拘禁刑3年、保護観察付きの執行猶予5年の判決を求めた。













