1300年前の都で始まった、ずとまよ史上最大の“文化祭”

雅楽の「陵王」が響き、テスラコイルが激しく放電する。10月10日、奈良・平城宮跡歴史公園。約1300年前の都を舞台に、「ずっと真夜中でいいのに。」の特別公演祭「LEGACY ZOMBIE LABO『文禍伝雷』奈良・平城京」が幕を開けた。

作詞・作曲・ボーカルを担うACAねを中心に活動する「ずっと真夜中でいいのに。」にとって、今回は過去最大規模の単独公演となる。日本武道館やアジア各都市を巡ったアリーナツアー「JAPAN & ASIA TOUR ZUTOMAYO INTENSE II『坐・ZOMBIE CRAB LABO』」の続編として、10月10日、11日の2日間にわたって開催。ライブチケット6万5000枚は完売。会場となった中央区朝堂院で大規模な野外音楽ライブが開かれるのは初めてのことである。

「文禍伝雷」の模様
「文禍伝雷」の模様
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ずとまよは、土地の歴史や文化を公演のテーマに取り込み、その場所で演奏することにもこだわってきた。

2025年には、1970年の大阪万博を題材にしたアリーナツアーで全国12万人を動員。同年9月には、その完結編となる特別公演「オモテEXPO 2025『名巧は愚なるが如し』」を大阪・関西万博で実現した。自ら万博側に会場の使用を交渉し、数千万円を負担して、自主制作の無料ライブ(万博の入場料は別途)を開催。岡本太郎の言葉から着想を得た「孤独の肯定」をテーマに、EXPOアリーナ「Matsuri」でのライブとして最大規模となる約1万6000人を集めた。

今回もまた、ACAねは木簡や和歌に残された人々の暮らしや感情に惹かれ、前回のツアーの構想段階から平城京を到着地点に定めていたという。企画と資金面を自分たちで担い、奈良の人々と準備を進めた「手作りの文化祭」だ。併設された「祭Area」には飲食屋台やワークショップが並び、大和茶や奈良筆、蚊帳生地、履物など、奈良の店や職人と制作したコラボグッズも展開。朝から多くの人で賑わっていた。

「祭Area」には多くの人が訪れていた
「祭Area」には多くの人が訪れていた

開演は午後5時半。夕焼けに染まった空の下、ACAねのナレーションが、人の思いを後世へ運び、ときには災いも生む「言葉」について語り始める。「今日も誰かの心に雷を落とすために」。巨大な大極門が開き、仮面を着けたバンドメンバーとともにACAねが現れた。