盆踊り、せんとくん、奈良時代までをつなぐ1300年のステージ
1曲目「地球存在しない説」では、ACAねが水を使った打楽器・ウォータードラムを叩く。続く「胸の煙」ではギターを手に歌い、「秒針を噛む」になると、客席の右と左を順に指名して歌声を求めた。観客が掲げるのは、ずとまよの応援グッズとしておなじみの「FIGHT THE SHAMOJI(しゃもじ型のライブアイテム)」。声の大きさまで細かく指定したかと思えば、ACAねは「準備運動はここまでです」と淡々と告げ、さらに客席を煽る。まだまだ宴はこれから。
「海馬成長痛」の演奏を終えると、いつの間にかメインステージからACAねの姿が消えていた。客席の外周を、電動ボードに乗ったACAねが進んでいる。近くの観客に手を振りながら向かった先は、観客に360度囲まれたセンターステージ。すかさず「機械油」の盆踊りリミックスを披露。しゃもじや簓(ささら)で拍子を取るACAねに合わせ、観客も踊る。踊る。踊る。百鬼夜行とはまさに。
続く人気曲「正しくなれない」には楽琵琶と津軽三味線が加わり、「サターン」は2本のアコースティックギターを中心とした演奏に。先ほどと打って変わって、今度はACAねの声とギターに耳を傾ける時間へ。おなじみの楽曲が大胆に組み替えられ、聴き慣れたはずのメロディーの魅力に改めて気づかされる。これもまた、ずとまよのライブの醍醐味だ。
ふたたびメインステージに戻ってからの「猫リセット」では、奈良県マスコットキャラクター・せんとくんが登場。ファミコンゲームのようなドット絵の映像演出に、思わず心が躍る。「ultra魂」「ミラーチューン」と進む間にはステージにラジカセが運び込まれ、扇風機を使った楽器「扇風琴」も鳴る。ところどころでモーニング娘。の「LOVEマシーン」のメロディーを挟んでくる遊び心もニクい。奈良時代と平成がポップの必然として交差する。このカオスこそがずとまよだ。会場のボルテージは最高潮へ。
先ほどの狂騒を心地よく癒す「夏枯れ」でひと息つく頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。続くナレーションでは、秋の米のおいしさに触れ、「おにぎり最高」とひと言添える。しかし同時に、かつて都へ貢納物を運んだ人々のなかには、帰りの食糧が尽き、故郷へ帰れなかった者もいたことにも触れられる。













