「終活も断捨離もクソくらえ」

高橋は今年8月に68歳を迎えた。同世代で“終活”や“断捨離”が話題になることも増えたが、高橋の反応は明快だ。

「終活とか断捨離とか、なんか世間がむりやり流行らせてる感じがして、俺は好きじゃない。整理しておきたいとか、子どものためにお金を残しておきたいとか言うけど、それ、子どもが嫌がることだったりするんですよ。子どもからしてみれば、いつまでも自分たち(子ども)のためにって親が生活するより、親自身の人生を自由に謳歌してほしいって思っている場合もある。終活とかって子どもたちに自分の親としての権威を押し付けてるんじゃないの?っていう」

自分が良かれと思ってやっていたことは、身内に対しての負担になっているかもしれない。それに気づいた彼ゆえの見解だ。

行きたいところに行って、やりたいことをやったほうがいい。お金は自分のために使ったほうがいい。そして、いくつになっても学び続けたほうがいい。

「終活も断捨離もクソくらえ、ですよ。どうして自分のリミットを簡単に決めちゃうの?」

誰かの価値観を盲信するのでも、自分の価値観を押し付けるわけでもない。

「今はおかげさまで、好きな時間に起きて、好きなときにスタジオに行って、会いたい人に会う。こんな生活を続けられていて、とても贅沢だと思っています。でもね、ボランティアとか、人のために何かしたいという気持ちは止まらないんだよね。やっぱりこういう仕事で食べてきているからさ」

68歳とは思えないほど若々しい高橋ジョージ、その表情は活気と優しさにあふれていた(撮影/佐藤靖彦)
68歳とは思えないほど若々しい高橋ジョージ、その表情は活気と優しさにあふれていた(撮影/佐藤靖彦)
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今年の6月9日、THE虎舞竜として「ロックの日」にちなみ新曲のリリースと新レーベルの発足を発表。加えて全国の盆踊りを自身が行脚するプロジェクトを発表したのも、その延長線上にある。

「隠居なんか絶対しない(笑)。『まだまだこれからだろ』って話ですよ。『ジジイ、もういいから!』って言われるくらいまでやりますよ。一生、ラブ&ピースのために歌いたい。みんな毎日を一生懸命生きてほしい。それだけです」

娘の言葉は、いくつになっても転がり続ける高橋のロック魂の、強力な燃料となっている。

(後編はこちら)

取材・文/木原みぎわ

(撮影/佐藤靖彦)