年金だけでは生活できない高齢者の過酷労働

「今年の敬老の日も警備のバイトが入っています」

そう力なく語ったのは、東京都に住む独身の吉田慎太郎さん(65歳・仮名)。現在は警備会社で多忙な毎日を送っている。

「以前は、芸能人や社長の髪をカットするようなフリーランスの美容師をしていました。ちょっとしたバブルのようになっていて、かなり稼いでいましたね。

ですが、50歳を過ぎたあたりから徐々に仕事が減ってしまい……穴埋めのアルバイト感覚で警備業界に足を踏み入れたんです。すると今度は、たまに美容師の依頼が入っても警備のシフトがあって断らざるを得なくなり、美容師の仕事が減っていく悪循環に陥ってしまいました」

過酷な日々にため息をついていた吉田慎太郎さん(撮影/山崎尚哉)
過酷な日々にため息をついていた吉田慎太郎さん(撮影/山崎尚哉)
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吉田さんは長年個人事業主として働いていたため、納めていたのは国民年金だけであった。満額を納めることができなかったため、現在受給できている額は月に5万円程度。

「交通整理の仕事は常に人手不足で、土日祝日も関係なくシフトが入ります。昼間の現場をこなした後に少し仮眠を取り、そのまま深夜の現場へ向かうようなシフトになることも。

現場作業が終わったら短い労働時間で帰れる日もあるんですよ。日給制なのでその点は助かってます。おかげでそれなりの給料にはなるんですけど、体力的には厳しくなってきましたね」