「味はおいしい。でも工場で作れない」がある

では、新しいお菓子は、どのように商品になっていくのか。

岩田さんによれば、企画のきっかけのひとつは市場調査だ。

「何が流行っているのか、どういうものが求められているのかを見ながらアイデアを考えて、企画書にして提出します。私は企画側なので、開発担当と相談しながら、どういう味にしていくかを決めていく形ですね」

試作した商品は、月に2回ほど開かれる会議で、企画、開発、役員らが試食する。

「そこで『もうちょっとこうした方がいいんじゃないか』っていう意見を出し合うんですね。『これだったらいけるね』っていう大多数の意見が発生して、やっと『じゃあこれでちょっとラインでテストをしてみよう』となっていきます」

小牧市にあるリボンの工場
小牧市にあるリボンの工場

研究室でうまくいっても、工場の製造ラインで同じものが作れるとは限らない。

「研究室で試作をして味を作っていくんですけど、それを実際に工場で流した時に、きちんと作れるのか、同じ味が出るのかを確認しないといけないんです。味はいいけど、工場のラインでは作るのが難しい、ということもあるんですよ」

例えば、2024年に発売された「果汁100%フローズンシャーベット」では、納得のいく味と食感にたどり着くまで、大量の試作を重ねた。

「開発までに、試作は100回くらいやったんじゃないかなというくらい、納得いくまで社内でやり続けて、やっとこの味が出たっていう部分がありまして」

「100はすごいですね」と原宿。

果汁100%フローズンシャーベット(写真提供/株式会社リボン)
果汁100%フローズンシャーベット(写真提供/株式会社リボン)

新商品を作り続ける一方、40年続く生梅飴には「変わらない味」を守る難しさがある。

岩田さんは、

「今後もその変わらない味はもちろん求め続けていくんですけど、情勢によって原料の高騰とかが発生することもあるので、いかにこの品質を保ちつつお客さんに届けるかっていう部分も、今後も大事になってくるかな」

と語った。

工場見学の最後、原宿は成形されたばかりの「できたて生梅飴」を特別に試食した。

社員の間では、「この熱々の状態が一番おいしい」とも言われている。

「あっつ。あっつ。あ、うまい。なんだこれ。生きてます。飴が生きてます!」

出来立ての生梅飴が流れるレーン
出来立ての生梅飴が流れるレーン

そして、約40年食べ続けてきた生梅飴が生まれる場所を見終えると、

「いや、すごかった。感動でしたね。生梅飴が生まれる場所が見れて。こうやって俺の口に入っていたんだって思うと、また愛が一段と深まるような感覚がありました」

と工場を後にした。

工場を後にした原宿
工場を後にした原宿
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文・撮影/shueisha vox

〈番組詳細〉
『原宿の今じゃない企画室』

「生梅飴」はなぜ40年も愛される? 大ファンのオモコロ原宿が工場潜入、1日約15万袋…“変わらない味”の舞台裏_9

オモコロ元編集長の原宿によるPodcast。世の中に取り残された「もう遅い」や「まだ早い」といった“今じゃない”話題やトピックを拾い上げ再考し磨いて「企画」にする“長考系教養バラエティ”です。今さらすぎるトピックや、早すぎて誰にも刺さらなそうなアイデア、そして語るタイミングを完全に間違えたテーマなどを、原宿室長とその時々に企画室に集まるゲストたちがこねくり回します。毎週水曜日朝5時配信。

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