「新しく生み出された価値」とは

生産には「中間財」が使われる。中間財とは、財・サービスを作るために使われる財・サービスのことである。簡単に言えば、「原材料や部品、企業が生産のために利用するサービスなど」を指す。

例えば、自動車を作るための鉄鋼や部品、パンを作るための小麦粉、レストランが料理をするために仕入れる食材などは中間財である。

また、企業が生産活動のために使う電力や、業務のために利用する運送サービスなども、中間財として考えることができる。図では中間財が400とされている。

<『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』P.23>
<『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』P.23>

ここで大事なのは、国内で1000の生産が行われていても、1000、全てが新しく生み出された価値ではないという点である。なぜなら、1000の中には、すでに別の企業によって作られた中間財(400)の価値が含まれているからである。

国の豊かさとは

図の左下には、「資本」(3500)のほかに「対外純資産」(500)も描かれている。対外純資産とは、一国が海外に持っている資産から、海外に対して負っている負債を差し引いたものである。海外に貸している金額や海外資産の保有額が大きければ、対外純資産は大きくなる。

資本(3500)と対外純資産(500)を合わせて「国富」(4000)としている。
国富とは一国全体が保有している正味の資産である。言い換えれば、その国が過去の経済活動を通じて蓄積してきた「経済的な蓄え」である。ただし、国富は人々の幸福度や所得分配の公平さまで直接表すわけではない。あくまで、資産という面から見た国の豊かさを表す指標だと考えておこう。

写真はイメージです
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次に、財・サービスがどこから来て、どこで使われるのかを見ていこう。

「総供給」と「総需要」とは

図では、国内で1000の生産が行われているが、この経済で利用可能な財・サービスはそれだけではない。海外から輸入品(50)も入ってくる。したがって、財・サービスの総額は、国内生産(1000)と輸入(50)を合わせた1050である。これを「総供給」という。

国内生産(1000)+輸入(50)=総供給(1050)

ここまでは利用可能な財・サービスを「どこから来たか」という供給側から見てきた。次は、同じ1050 の財・サービスを「どのような用途で使われたか」という需要側から見る。図では、この1050が「中間消費」(400)、「最終消費」(400)、「投資」(150)、「輸出」(100)に振り分けられている。これを需要側から整理したものが総需要である。

中間消費(400)+最終消費(400)+投資(150)+輸出(100)=総需要(1050)

ここでいう総需要とは、この経済で利用可能な財・サービスがどのような用途で使われたのかを表すものである。

<『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』P.24>
<『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』P.24>

総供給と総需要は同じ1050の財・サービスを、供給側から見れば総供給、需要側から見れば総需要と呼んでいるのである。