自民に広がる「圧勝」の空気
沖縄県知事選の空気が大きく変わった。
先日、沖縄入りしたという自民党関係者は、かなり強い調子でこう語った。
「沖縄の雰囲気は非常にいい。古謝玄太氏が優勢で、圧勝する空気になりつつある」
「玉城デニー知事が就任してから何もしてこなかったことが、県民に少しずつばれてきた。最近の発信も陰謀論と相手の悪口ばかりだ」
今月上旬のQAB・沖縄タイムス・朝日新聞の合同調査では古謝氏が先行し、共同通信は横一線と伝えた。前者では約4割が投票態度を明らかにしていない。
「圧勝」を裏付ける数字はまだない。県民全体の評価とは分けて受け止める必要があるが、関係者の言葉から伝わるのは、自民党側の強い自信だ。
自民、公明が推した候補は2022年の県内7市長選をすべて制した。2024年の県議選では自民党公認の20人が全員当選し、玉城知事を支える県政与党は過半数を失った。
2026年2月の衆院選でも、自民党は県内4小選挙区すべてで勝利した。そして次に狙うのが知事の座である。
問われる玉城県政の「結果」と選挙戦の失点
2022年は市長選で連勝しながら、知事選では玉城氏に敗れた。私はこの違いに、基地問題が生む「国対沖縄」という構図の強さを見る。今回、もし古謝氏が勝てば、自民党にとって高かったその壁を破る選挙になる。
そんな中、私が玉城氏に問いたいのは、2期の県政で、どれだけ県民を豊かにし、全国との差をどれだけ縮めたのかである。
2023年度の1人当たり県民所得は231.5万円で、前年度の220.3万円から増えた。一方、1人当たり国民所得を100とした所得水準は65.7で、2021年度の70.7、2022年度の67.2から低下している。
つまり、沖縄の県民所得そのものは増えたものの、全国の伸びには追いつかず、相対的な所得格差はむしろ広がった。
同じ時期、日本全体でもコロナ後の経済活動や観光が回復している。沖縄の所得増にはそうした全国的な追い風も影響しているため、県民所得が増えたことだけをもって県政の成果と評価することはできない。
全国的な追い風もある中で、なぜこの差が残ったのか。県内で働く若者の所得をどう上げるのか。玉城氏には、施策の名前を並べるのでなく、結果で答えてほしい。
選挙運動にも看過できない問題が出た。
9月1日、玉城氏の公式Xアカウントに、自民党本部と立候補を取りやめた下地幹郎氏が「裏取引をした」とする投稿が掲載された。報道によると根拠は示されず、投稿は削除された。
玉城氏は担当者の「手違い」と説明して謝罪した。本人が書いたと決めつけるつもりはないが、公式アカウントから根拠が示されていない疑惑を流した責任は残る。県政の実績を問われる選挙で、こんな失点を重ねてどうするのか。













