知事を代えるだけでは足りない
観光収入2兆円を目指すなら、県民の暮らしがどれだけよくなるかまで示すべきだ。
私は両陣営を手放しで褒める気にはなれない。補助金で企業を呼び、工場や観光施設を増やす産業振興に、沖縄を豊かにする答えはないと考える。誘致先の売上増を、県民の豊かさと取り違えてはならない。
古謝氏が勝っても、小林氏の国主導の産業育成論に乗れば、沖縄はまた国の予算を当てにする従来型の経済になる。県民が技能を身に付け、自分で稼げる条件を整えるべきだ。知事を代えるだけでは改革は完結しない。経済政策まで変えて、初めて沖縄は変わる。
知事を選ぶ一票は、基地をめぐる「国対沖縄」の構図だけで測れるものではない。誰が知事に就くにせよ、県民が自ら稼ぐ力を身に付け、補助金に頼らずとも立てる経済をどう描くか――。その設計図を候補が示せるかどうかこそ、有権者が見極めるべき一点だろう。看板政策の華やかさではなく、暮らしを変える中身を問いたい。
文/小倉健一













