大手と高級店の「間」に生き残る道はあるのか
では、町のすし店はこのまま消えていくしかないのだろうか。
「減少傾向を簡単に止めることはできないでしょう。ただ、町のすし店には大手チェーンにはない資産もあります。長く地域で商売をしてきた店には、すでに何年も通っている常連客がいて、地域での知名度もある。新しくゼロから店を出す人からすれば、これは非常に大きな価値です」
町のすし店は「店主の魅力」に大きな価値があると言えるが、すべての価値が店主個人に帰属しているわけではない。顧客基盤や知名度、地域とのつながりなど、それ以外の “店に残る資産”を、別の職人に引き継ぐ余地はある。
「店そのものに魅力や支持があるなら、血縁にこだわらず、別の経営者や若い職人に引き継ぐという方法もあるでしょう。
すでにお客がいて、地域に根付いた店をゼロから簡単につくることはできません。その価値を新しい担い手につなげることができれば、町のすし店にも生き残る可能性は十分にあると思います」
安さでは大手回転ずしにかなわず、高級感では都市部の高級店と競わなければならない。
その“間”で町のすし店が何を売りにするのか。
「昔からそこにある」というだけでは商売が続かなくなった今、長年築いてきた店の個性や地域とのつながりを、どう次の世代の価値に変えられるかが問われている。
(取材・文=蜜ツ冶/A4studio)












