事故1か月前にも横転…2年間続いた無断乗車を学校は把握せず

事故は2024年11月16日夜、校舎から約2.2キロ離れたグラウンドで起きた。助手席の高校2年生の陸上部員Aさん(17)(当時、以下同)が頭部を負傷し死亡した。

運転していたのは、空手部2年生の生徒Bさん(16)で、後部座席には野球部2年の生徒Cさん(17)と同部1年の生徒Dさん(16)が同乗。車はのり面(盛土などで人工的につくられた斜面)に激突し、助手席を下にして横転した。

「車は、サッカー部がグラウンド整備用に6万6000円で買ったもので、ナンバーもなく公道を走れません。学校が設置した調査委員会の報告書では、無施錠の車の中に鍵が置かれ誰でも動かせる状態でした。

事故の約2年前から野球部部員が車をグラウンドで乗り回し始め、ほかの生徒にも拡大したと報告書は指摘しています」(地元記者)

埼玉栄高校(撮影/集英社オンライン)
埼玉栄高校(撮影/集英社オンライン)
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報告書では、2022年11月ごろから事故前までに、夜間などの無断運転は21回あり、AさんやBさん、Cさんを含め、のべ73人が乗っていた。

このうちCさんは報告書で「2024年度前半に男子野球部内で無断乗車行為を主導した」と指摘される人物だ。当日はCさんが呼びかけ、同じ寮で暮らすAさん、Bさん、Dさんが誘いに乗った。

午後9時5分に寮の点呼が終わった後、午後11時ごろに集合して抜け出した4人は自転車でグラウンドへ向かい、最初にCさんが運転し、Bさんに代わったところで事故が起きた。

埼玉栄高校のグラウンドで事故を起こした実際の車両(写真/共同通信社ヘリ)
埼玉栄高校のグラウンドで事故を起こした実際の車両(写真/共同通信社ヘリ)

サッカー部の指導者や寮の舎監を含む教員は、約2年間常態化していた無断乗車を事故が起きるまで「把握していなかった」と調査委に供述。

地元紙、埼玉新聞によれば、佐藤栄学園幹部は事故直後、「鍵の管理に落ち度があったのが事故の最大の原因」と言いながら、「事故車両はサッカー部所有で、管理を一任していた」として、車の管理はサッカー部がしていたと説明している。

埼玉県警はBさんを昨年11月に自動車運転処罰法違反(過失致死傷)疑いで書類送検したほか、今年3月には男子サッカー部監督の男性教諭(43)とコーチの男性教諭(38)を業務上過失致死傷の疑いで書類送検している。