あんたを操っている人間を

意を決して、母に電話し経緯を話したところ「あんたを操っている人間を大阪まで連れてきなさい」と言われ、電話を切られました。この言葉しか発してないのに、電話越しに驚きと悲しみと焦りと怒りを感じました。もうほんとにスタバで大泣きした。何をやってしまったんだと。大罪を犯した気分でした。

晴れない気持ちのまま、マネージャーと一緒に大阪の実家に行きました。実家に着いて、形式的にマネージャーが鳩サブレを渡して、無理矢理笑顔を作ってる母と表情が読めない父、なぜか隅っこで正座してる妹…この世の終わりかと思いました。

丁寧に経緯を説明し、許しを乞おうとしました。だからぶっちゃけどんな話してたか全く思い出せません、とにかく必死過ぎて。

埒の明かない話が続き沈黙がやってきたとき、一言も発してなかった妹が「今までパパとママがどんな思いしてきたか分かってるん」と涙を流しながら話し出しました。あまり感情的にならない妹が大泣きしながら怒ってたんですよね。

仕事も辞めちゃってる以上、親もやるなとは言えず気を付けろやという感じでその日はまとまりました。マネージャーと家を出る際、その日も寡黙だった父が「家族なんやからなんでも言え」と。

今でもどんなトーンで言ってたか思い出せるくらい心に重く響きました。本当にちゃんとこの仕事で食っていかないと、と腹を括りました。

写真/峠雄三
写真/峠雄三

そこからは不安で仕方なかったけど、がむしゃらにやるしかなかったという気持ちです。

今になってグラビア好き! とはっきり言える感じ。嫌いじゃないけど、当時は無だったなと思います。

母に私が転職したことを「ばあちゃんに言わないでと、びっくりして死んでまうから」と、口止めされてたんです。ちなみに今も。

大阪に帰ってばあちゃんに会ったとき、「最近は外国人のお客さんいるん?」とか「どこに行ったの?」とかまだCAだと思ってて、でも言えるわけなくて、申し訳ないと思いながらCAのフリしてました。

それがばあちゃんのためになるし、全部私が悪いから。

でも、本当最近になって、母からそろそろ言ってもいいかもねとお許しをいただきました。こうやって家族が胸を張って私を応援してくれていることが本当に嬉しいし、ここまで連れてきてくださったファンの方には頭が上がりません。本当にありがとうございます。

今となっては明るくお話しできるようになりましたが、当時は本当に人生終わったと思うレベルで暗闇にいました。でもこんな簡単に人生終わらせてたまるかって感じです。

応援してくれる全ての方に感謝を込めて、初心を忘れず全速で進んで参ります。ありがとうございました。

文/風吹ケイ 

写真/峠雄三

スタイリング/森島友香 ヘアメイク/久保フユミ