なぜ台湾からの取得が突出しているのか

では、どの国・地域からの購入が多いのでしょうか。国土交通省の調査によると、2025年1~6月に東京23区で新築マンションを取得した国外住所の購入者(海外在住の外国人)のうち62%を台湾が占めています。次いで中国(10%)、英国・米国(9%)と続きます。2019年頃は中国からの購入も台湾と同程度でしたが、近年では台湾が大幅に上回っています。

東京23区で新築マンションを取得した国外に住所がある者の国・地域(2025年1月〜6月)
(データ出典:国土交通省「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引実態の調査・分析について」(2025年11月25日)をもとに作成)
東京23区で新築マンションを取得した国外に住所がある者の国・地域(2025年1月〜6月)
(データ出典:国土交通省「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引実態の調査・分析について」(2025年11月25日)をもとに作成)

インターネット上では「中国人が日本の不動産を大量に買っているのではないか」という言説も目立ちますが、少なくともこの統計で見る限り、近年の国外住所者による新築取得は台湾が突出しています。

背景として指摘されているのが、台湾有事への懸念です。万一の事態に備え、資産を国外に退避させたいという需要が、台湾の富裕層を中心に高まっているとされています。日本の都心部のマンションは、将来の値上がり期待、滞在時の利便性、分散投資先としての安全性を兼ね備えており、「資産の避難先」として選ばれている可能性があります。

もしかしたら、こうした外国居住者への転売を見越して、国内の法人や個人投資家等が新築マンションを購入するケースも増えているのかもしれません。国内の投資主体が新築を買い、それを外国居住者へ転売することで価格が押し上げられていく―そうした構造が、価格上昇圧力の一つになっている可能性もあります。

ただし、日本では売買履歴や購入者属性のデータが十分に整備されておらず、全容解明には国や自治体によるさらなる調査が必要です。