中国はロシアがなくても困らないが、ロシアは困る

だが、これは「西側からの独立」ではない。ロシアが、習近平を拝める「中国の属国」になりつつあるだけである。

しかも、以前より条件は悪い。欧州には複数の国と企業があり、ロシアにも売り先を選ぶ余地があった。いま中国向けの取引が増えても、買い手は事実上1つである。

中国は中東や中央アジア、LNG、再生可能エネルギーへ調達先を分けられる。ロシアには失った欧州市場へ戻る道がない。

つまり、中国はロシアがなくても困らないが、ロシアは中国なしでは困る。この差が、そのまま価格と外交の差になる。

写真はイメージです
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首脳会談時の写真だけを見れば、プーチンはいまも大国の指導者に見える。だが、国際政治で本当の力が表れるのは、席順でも握手でもない。相手に「ノー」と言えるか、条件が悪ければ席を立てるかである。

現在のロシアには、その自由がない。だから習近平は急がず、プーチンだけが焦る。

パワー・オブ・シベリア2は、その現実をプーチンに突きつけた。中国は必要なら契約する。不要なら待たせる。ロシア側が急いでいる事情など考慮しない。「無制限の友好」とは、習近平が中国の利益を無制限に守るという意味だったのだ。