ステージで紹介されたThe Clashの『Tommy Gun』

そんな「オ〜、ニッポン、ニッポン」の合唱を受けて、MCで以下のような発言があった。それぞれ、ベース&ボーカルの難波章浩と、ギター&ボーカルの横山健による発言から引用する。

難波「やばいね、ニッポン」
横山「フジロックでのニッポンコールはやばいね」
難波「今(の演奏)『Tommy Gun』じゃん。(ドラムの)ダダダダ、ダン! Clash」「おれもClashみたいになりたかったのよ」「ほんとは外国の人に生まれたかった。だけど日本に生まれちゃったから」「日本いいよね」「今、大人になって、おじさんになって、日本に生まれてよかったと思ってるの」「前はおれも、パンクは反体制でしょ、みたいな。そういうの影響されて、いろいろ学んできたけど、でも、体制とかそういうことじゃなくて。おれは日本が好き。この土地が好き。人種とか関係なく。自分のいるところ、好きになっていいよね」

まず、今回の一連のステージ上での発言に対して、Xではかなりの数の投稿がありながら、このThe Clashの『Tommy Gun』について言及された投稿が全然なかった。なぜ? ここは絶対に聞き流したらだめでしょう。流れとしては、MCに入る前の曲のアウトロのドラム演奏を受けて、このドラミングはThe Clashの『Tommy Gun』という曲からの引用ですよ、という趣旨の発言だった。

1978年、The Clashの7枚目のシングル「Tommy Gun」
1978年、The Clashの7枚目のシングル「Tommy Gun」

『Tommy Gun』の曲中で使われている、スネアを連打する演奏は、ドラミングによってトンプソン・サブマシンガン、通称「トミー・ガン」の銃撃音を表現している。1978年にリリースされたこの『Tommy Gun』という曲は、祖国や金のためなら殺すことも死ぬこともいとわないテロリズムと、そんなテロリストたちのニュースを消費するメディアや大衆を痛烈に批判したThe Clashの代表曲。

歌詞の中の“Standing there in Palestine lighting the fuse”(パレスチナに立つ、導火線に火をつけながら)という一節は、テロリストを英雄視することで、政治的な暴力がまるでエンターテインメントのように享受されていることを皮肉っている。

プロテストソングとして知られる曲を引き合いに出した直後に、政治的対立軸から距離を置く発言をしたため、メッセージの焦点が曖昧に感じられた。一体どうしてしまったのか。

このあともMCでの発言は続く。