次は「西でも東でもなく、『北』だ」足立区・板橋区の時代
では、これからも「東」の天下が続くのだろうか。不動産仲介を手掛けるA氏はこうした意見に懐疑的だ。
「湾岸タワマンも錦糸町も価格が上がりすぎてしまって、これからマンションを買う人には高すぎる。ここから更に何割も上昇するイメージが湧かない」(A氏)
この指摘を裏付けるように、金利上昇による足元の調整局面で、湾岸や錦糸町エリアは振るわない。
それでは、西側が復権するのだろうか。A氏はこの意見にも首を横に振る。共働きの増加もオフィス街としての新宿の衰退も不可逆的であり、通勤に1時間もかかるような立地が伸びることはないだろうという。
では、今後伸びるエリアはどこか。A氏は「西でも東でもなく、『北』だ」と話す。足立区や板橋区など、いま割安だと考えられている立地にこそ、チャンスがあるという。
奇しくも、村上春樹の『夏帆』では、足立区の花畑が登場する。「お花畑がそこらじゅうに広がっているというわけではないが、それでもどこかしらのどかさを感じさせる土地柄」と、武蔵境とは異なり前向きに取り上げられている。
世界のムラカミは、足立区の来たるべき黄金時代を既に予見しているのかもしれない。
取材・文/築地コンフィデンシャル













