多くの中国人が日中関係を冷静に受け止めている
――早速ですが、2026年の春節の帰省はいかがでしたか?
むいむい 忙しくて帰れない年もあるんですが、今年はちゃんと帰省できたので母親も機嫌がよかったです。でも、高市総理の発言で中国では日本への渡航自粛勧告が出たり、日本で中国人が現金をひったくられた事件もあったので、相変わらず心配はしていました。
――ちなみに中国のみなさんは、高市さんの有事発言について、どんな風に思っているんでしょう?
むいむい 「今、日本は治安悪いんでしょ?」って聞いてきた近所のオジちゃんもいたけど、他のみんなは「政府が騒いでるだけでしょ」って結構冷静。地元では「ニュースは嘘ばっかりだ」って思っている人も多いです。ねんねんちゃんも台湾に帰ったんだよね?
ねんねん そう! 帰ったら早速、両親に「高市総理の話をしよう!」って言われたよ(笑)。今までこんなにはっきりと台湾を応援するって趣旨の発言をしてくれた人はいなかったから、地元では「よく言ってくれた!」って賞賛の声が上がっているんです。
――高市さんは、前から親台派で知られているし、今回の発言で、台湾ではより人気が高まったかもしれませんね。普段、2人でこういう話はするんですか?
むいむい 一度もしたことがないです。外交問題は国同士のことだし、人のアイデンティティに口を出すことはできませんから。何より、話しても楽しくない!(笑) ただ、一人の中国人として台湾の人と仲良くしたいと思っています!
ねんねん むいちゃん……!
――台湾の人は、どういうアイデンティティを持っているのでしょう?
ねんねん 台湾は、スペインや日本など外来政権の統治が長く、アイデンティティもその都度変化してきました。大陸から逃れてきた国民党が「中華民国」を名乗り、国連で国として認められていた時期も。結局、国連は脱退しましたが、今は台湾として民主主義を選択し、一国家としての体制は整えています。あとは世界がまた認めてくれれば!って感じですね。
――なるほど。それにしても台湾の方は本当に複雑な歴史と柔軟さを持っていますね。これについて、中国の人たちはどう思っているのでしょう。「台湾は中国の一部だ」って思っている人もいるんでしょうか?
むいむい 上の世代で、そういう主張をしている年配の人には会ったことがありません。ただ〝リトルピンク〟(小粉紅:1990年代以降に生まれた若い世代の民族主義者)と呼ばれる、学校教育を鵜呑みにして過激な愛国主義思想を持つ若者たちも増えていると聞きます。
ねんねん そうそう。日本の声優さんやアーティストさんが台湾に来て「台湾は食べ物が美味しい国だね」という表現をしてしまうと、リトルピンクがすぐに湧いてきます。
――日本人も配慮が足りていないと感じます。日本は台湾を50年間も統治していた過去があるのに、台湾の人の複雑なアイデンティティや置かれている状況について認識が甘い部分があると感じました。きちんと理解しなくてはいけないですね。
ねんねん 台湾人としては、いつも周りに気を使わせてしまっている気がして申し訳ないな、と思います(笑)。













