国土交通省の調査では「授乳室がなくて困った」が6割
少子化が進む中、子育てをめぐる環境や考え方は大きく変化している。今では赤ちゃん連れで外出する家庭にとって、外出先の環境整備はますます必要なものになってきている。
こうした状況を踏まえ、国土交通省は令和7(2025)年に「子育て世代の外出先での授乳室・トイレ利用等に関するアンケート調査」を実施した。
子育て世代が安心して外出先での授乳や搾乳、トイレの利用ができる環境の整備を進めるため、バリアフリーに関するガイドラインの改正を検討する中で実施されたものだ。
調査によれば、外出時の授乳・搾乳についての困りごとで最も多いのは、「授乳室がないこと」で60%に上った。アンケートでは切実な声が上がっている。
「田舎に住んでいますが、地方は授乳室の数は本当に少なく、あったとしても衛生管理が心配な場所が多いです」
「公民館や子ども向けの催し物を頻繁に開催してる施設で、授乳室の有無を尋ねたところ、バリアフリートイレを案内されました。授乳=赤ちゃんの食事であるはずなのに、案内した方やその施設の子育てに対する意識が低いことにがっかりしました」
また、授乳室があればすべて解決するというわけでもない。
「ベビーカーを置くスペースがない」「授乳室に男性が入れない」「年配の方が、授乳室を休憩室として使っているところを何度か目撃したことがある」など、授乳室をめぐる課題は山積している。
同省の担当者は、調査を実施した背景に「国が子育て支援を進める中で、特に保護者の外出先での環境整備が必要だという声があった」と説明し、こう続けた。
「子育ての環境整備は複数の省庁で取り組んでいますが、授乳室なども含めたハード面の整備は国交省の管轄になります。
(環境整備には)自治体や民間事業者などの皆様の取り組みが不可欠ではありますが、今後何かガイドラインを作ることになれば、国交省で対応することになるかと思います」
国交省は調査結果を踏まえ、2025年に建築物と公共交通機関のバリアフリー関連ガイドラインを改正・改訂した。ベビー休憩室や授乳・搾乳室の設備、トイレ、施設情報の提供に関する記載を充実させているが、今後の方策についてさらに検討を重ねると話した。
授乳室など外出先の環境整備は、子育て世代が安心して出かけるために欠かせない。一方で、外出先で授乳が必要になる場面があることを、社会がどう受け止めていくかも、子育てしやすい社会づくりの重要な課題の一つとなっている。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













