最低限のルールメイクは国家の責務
自由経済において、民間企業が利益を追求することは正当だ。しかしその前提として、ルールが機能していなければならない。ルールのない市場は自由市場ではなく、弱肉強食の無法地帯だ。
火葬という事業の特殊性——代替不可能性、死という絶対的需要、個人情報の集積——を考えれば、最低限のルールメイクは国家の責務である。
厚労省はその責務を果たさなかった。そのツケが今、1500億~1800億円規模の売却観測が報じられた「火葬場マネーゲーム」として吹き上がっている。特別区長会の要望は、この失政を事後的に補正しようとする合理的な試みだ。
東京都と23区からは「東京博善が売られるならば買ってしまおう」との声もあがっているという。しかしそれにしても、まずはルールをつくるべきだ。厚労省は批判を甘受し、直ちに実効性のある法整備に動くべきである。
文/小倉健一












