“同担拒否”はディズニーにも…キャラクターをめぐる複雑な距離感

園内を歩くキャラクターと偶然出会えるのが、フリーグリーティングの魅力だ。しかし一部の常連ゲストの間では、キャラクターが“出てきやすい時間帯”や“待ち合わせ場所”が、ある程度知られているという。

「正確に決まっているわけではないんですけど、常連になると『だいたいこの時間に出てくるよね』という感覚が分かってきます。ゲストから見える場所にキャラクターの出入口があるので、出待ちをしているオタクもいますよ。

最近は、キャラクターごとに担当のキャストが付き添っているので、急に駆け寄った場合は、『危ないからちょっと待っててね』とか、『次に呼ばれるまで、ここで待っててね』と言って、公平に対応しようとはしてくれています」(同)

一般ゲストと常連ゲストの間の微妙な距離感(写真/Shutterstock)
一般ゲストと常連ゲストの間の微妙な距離感(写真/Shutterstock)

それでも、子どもに厳しく当たってしまう常連ゲストは、一定数いるそうだ。

「ディズニーオタク同士にも“同担拒否”が一定数います。たとえばミッキーが好きな人でも、『同じミッキー好きの人は苦手』という感覚です。

たとえば、自分の近くに小さな子どもがいると、キャラクターはその子に反応しやすいんです。そうすると、『自分はずっと待っていたのに、キャラクターが子どもの方を見てしまう』と不満に思ってしまう人もいます。

なかには、『あの子がいるせいでキャラクターが私の方を見てくれない』と声に出したり、すねた態度を取ったりする人もいますよ。

もちろん全員がそうではありませんが、自分の好きなキャラクターを“自分だけの推し”のように感じてしまうからこそ、子どもに対しても厳しくなってしまうことがあるんです」(同)

一般のゲストや子どもにとって、そうした暗黙のルールが分からないのも無理はない。

Aさんは、キャラクターを見つけて駆け寄る子どもの姿を、どう受け止めているのか。

「常連だからといって、そのキャラクターはその人だけのものではないですよね。自分だって、たった一度のキャラクターとの出会いがきっかけで好きになっているかもしれない。

オタクとして日常的に楽しむのも大事なんですけど、遠方から来た子どもにとっては、その日が初めての特別な日かもしれないんです。

だから、キャラクターと写真が撮れたら、その子にとっては忘れられない体験になる。そう考えると、『微笑ましく思えるぐらいの余裕があってもいいんじゃないかな』と思います」(同)