一度きりでは終わらない“父親役”の責任
――事情を知らない人たちの前でも「お父さん」を演じなくてはいけない。しっかりした事前準備が必要になりますね。
スタッフにはどういう父親像になってほしいのかをしっかり指導し、レンタルお父さんとしての“形”を作り上げていきます。
基本的な育児の考え方と一緒ですけど、子どもの考えを否定的に受け止めないとか、しっかり話を聞いたうえで叱るとか。
ある程度のメソッドに沿ったうえで、依頼人の意向を踏まえて方針を決めています。家族や父親が深く描かれている映画を観て学ぶのもとても重要ですね。
また、スタッフは1日に複数の案件を持つこともあるんです。最初の依頼では子どもの好きな料理や遊びを頭に入れ、次の依頼では兄弟の名前を覚えなくてはならず、そのまた次の依頼ではポケモンの種類と名前をたくさん覚えないといけない、といった感じ。
情報量が多く大変なので、細かい設定はいつでも見れるようにスマホに入れておくように指示しています。
――想像以上に、レンタル先の家族の人生に深く関わっていく依頼もあるというということに驚きました。
レンタルお父さんに重要なのは“リピートの可能性がある”という心づもりです。
依頼人のお父さんとして婚約者やその親族に紹介されるというパターンは多いですからね。その流れで、結婚式で父親としてスピーチを頼まれることも少なくありませんし、出産の立ち会いをしてほしいという依頼もあるんですよ。
“一度依頼を受けて父親を演じたらその後も依頼人家族との関係は続いていくものだ”、そういう覚悟や感覚を持つ必要があり、このサービスを通じてすごく考えさせられたところですね。













