「いじめがゼロになるのは本当に難しい」

ほかにも、WEB健康観察アプリ『シャボテンログ』や『チェンジャーズ』というマンガ教材の制作も行なっている。

マンガ教材には指導案や動画が付いており、リアルな事例を取り上げているのが特徴だ。

「制作する際に現職の先生に聞き取りを行ない、実際に学校で起こっているような内容を取り上げ、子どもたちが話し合えるような形の教材にしました」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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こうした事業を手掛ける谷山氏は、いじめ対応で最も大事なのは「子どもに二次被害を与えないこと」だという。

「子どもの話を真剣に聞いてあげて一回解決したとしても、その後も子どもにとってつらさは残り、『やっぱり学校に行きたくない』という気持ちも出てくるでしょう。

その時に『もう忘れなよ』などと言ってしまいがちですが、言われた子どもは『悪いのは私なの?』と感じてしまいます。

ある程度時間が経ってもなお子どもが悩んでいたら、まずは耳を傾けてあげることが必要です」

さらに、いじめの重大事態の発生件数が高止まりしている現状を例に挙げながら、いじめを「深刻化させない」ことも重要だと同氏は話す。

「語弊を恐れずに言えば、今の国の法律の定義に則すと、いじめがゼロになるのは本当に難しい。それよりも『深刻化させない』ということが大事だと考えています」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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そのうえで、大人の果たすべき役割について次のように指摘する。

「子どもに対して『頑張って相談しよう』と促すよりは、子どもが悩んだりしたりしている時に、大人がどれくらい『相談したい』相手だと思われるかが大事です。

普段から子どもとよく雑談したりしていくなかで良い関係性を築けば、子どもは『この人に相談しよう』と思ってくれるのではないでしょうか。そういう意味で、私たち大人の責任は大きいです」

最後に、子どもたちに向けて谷山氏はこう呼びかける。

「いじめを受けた側は『きっと私が悪いからだ』と思いがちですが、どうか自分を責めないでほしいと思います」

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班