「いじめに『グレーゾーン』という考えはない」
そもそも「いじめ」はどのように定義されているのか。「いじめ防止対策推進法」では次のように示している。
「第二条 この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。」
さらに、前出の文部科学省の調査では、具体的ないじめの行為として「冷やかしやからかい」「遊ぶふりをして叩かれたりする」「仲間はずれ、集団による無視をされる」などが示されており、遊びのように見える行為でも受け手が心身の苦痛を感じていれば、いじめと定義される。
ある公立小学校の校長は「いじめに『グレーゾーン』という考えはない」と話す。
「相手方が『その気はなかった』と言っても、精神的に苦痛を受けたと感じているならば、その時点でいじめとして扱います。
とかく子どもたちは手段を間違うものです。その時に、指導を入れずに時が過ぎてしまうことのほうが罪だと思います」
遊びの延長のような行為によって子どもが傷つき、登校しづらくなることについて、保護者や学校はどのように捉えるべきなのか。
「いじめ撲滅委員会」代表でメンタルヘルス総合サポート株式会社代表取締役の栗本顕氏は、判断基準は「行為の意図」ではなく「結果としての苦痛」だと強調する。
「学校の捉え方は、『いじめ』の定義は『本人が苦痛を感じているか』が基準です。
『悪気がない』=『指導不要』ではなく、相手の境界線を侵害したという事実を重く捉え、加害側に『無自覚な加害』の重大さを教える教育的機会とする必要があります。
また保護者が『相手もわざとじゃないんだから』と子どもをなだめるのは、子どもの傷つきを否定することに繋がります。
まずは『それはつらかったね』と共感を示し、子どもの心の安全を確保することが最優先です」













