防犯カメラには落下する直前、麻夏さんの背後に人影が
2021年2月28日、高張潤容疑者は妻の麻夏さん(当時41)を飛び降り自殺に見せかけて都営アパートの9階から転落させ殺害したとして殺人容疑で逮捕された。当時、事件の取材をしていた社会部記者が語る。
「2020年11月29日、高張容疑者は妻の麻夏さんの首を絞めるなどの暴行を加えた後、9階のベランダから突き落として殺害したと見られていました。遺体には窒息した際にできたと見られる出血痕があり、ベランダの手すりに麻夏さんが触れた痕跡もなかった。また、事件の様子をとらえていた防犯カメラには麻夏さんが落下する直前、背後に不審な人影が映っていたこともあり、自殺とは考えにくい状況でした。
いっぽうで、事件翌日の30日早朝に高張容疑者は自ら『タバコを吸いにベランダに出たら妻が倒れていた』『前日の夜に妻と喧嘩をした。子どもを寝かしつけていたら、妻がいなくなっていた』と110番通報しています。ですが警察は当初から高張容疑者の供述を疑い、何度も人形などをベランダから落下する“実験”を繰り返していた」
そもそも高張容疑者と麻夏さんは交際していた過去があり“元カレと元カノ”の関係だった。事件の数年前にヨリを戻し、2年前に結婚、2人の間には1歳の長女がいた。高張容疑者は「妻は育児に悩んでおり自殺だと思う」とも供述している。
別のフリー記者が当時の取材を振り返る。
「麻夏さんの母親は事件直後から娘の死に違和感を持っていました。生前、麻夏さんは母親に離婚の相談をしており、相談を受けた際に『何かされるかもしれない。怖い』というメールも受け取っていました。また、『育児に悩んでの自殺』という高張容疑者の供述に対しても、『娘は育児を楽しんでいた』と真っ向から否定していました」
夫婦喧嘩がエスカレートした際に麻夏さんは複数回110番通報をしていて、近隣住民に助けを求めることもあった。2人の関係がうまくいっていなかったのは周知の事実だった。
「麻夏さんの母親は、高張容疑者が家に給料を入れず貯金を使い込んだことで不満を漏らしていたり、高張容疑者がペットの鳥を室内で放し飼いにして羽根や糞が散らばったことで、赤ちゃんだった長女の健康に影響がないか心配した麻夏さんと口論になっていたと語っていました。
いっぽうで高張容疑者の母親は、貯金を使い込んだという報道はニュアンスが違うし、鳥を放し飼いにしていたのは誤解と語っていた。鳥は手乗りインコで放し飼いにもしていないし、飼っていたのは2人が一緒に暮らす前の話だと主張していたんです。2021年の逮捕当初から高張容疑者側の主張と麻夏さんの遺族の主張は大きく食い違っていましたね」(前同)













