「お墓参りでお墓にお赤飯を供えるという風習がある地域もあるようです」
今回の廃棄の件をめぐっては、「赤飯は法事などで食べられることもある」といった声も聞かれる。
赤飯文化の普及啓発活動を行なう「赤飯文化啓発協会」の担当者に話を聞いた。
「赤飯が法事などで提供されることはありますし、お盆の時期にお供えする地域もあります。特に東北地方などは多いと聞きます。お墓参りでお墓に赤飯を供えるという風習がある地域もあるようです」
同協会のホームページによれば諸説あるが、赤飯はもともと縄文時代に初めて中国大陸から日本に伝わってきたお米である「赤米」を蒸したものが起源とされるという。
日本では古くから赤い色には邪気を祓う力があると考えられており、加えてお米が高級な食べ物であったことから、赤米を炊いて神様に供える風習があったそうだ。赤飯が一般的に庶民層まで広まったのは江戸時代にさかのぼるという。
「白米や精製度の高い米が広く流通・消費され、一般的にお米を食べられるような環境になっていったのが江戸時代で、そのころから赤飯が食べられるようになったと言われています。その後、昭和の時代では、誕生日などのちょっとしたお祝いでも赤飯を食べる習慣がありました。
しかし現代はさまざまな食品がどこでも食べられるようになり、赤飯を食べる機会は減ってきているように感じます。
結婚式でも昔は赤飯の引き出物は当たり前のようにありましたが、今では例えば料理のメニューを見ても和食だけではありません。食文化そのものが変わってきているというのは、(赤飯を食べる機会が減った要因の)一つとしてあると思います」
今回の廃棄について尋ねると、「前もって(11日の給食に赤飯が出るという)情報が共有されていれば、防げたのではないかとも感じます」と話した。
今回の廃棄問題を受けて、食品ロスの観点から批判する声も相次いでいる。
環境省の推計によれば、令和5年度(2023年度)の国内の食品ロス発生量は464万トンで、前年度から約8万トン(約1.7%)減少し、事業系が231万トン、家庭系が233万トンという内訳だ。
発生量は年々減少傾向にあるものの、依然として多くの食品が廃棄されている状況にあり、同省では、食品ロス削減に向けて事業者、家庭双方の取組が必要としている。
組織の体制のあり方、食品ロスの現状、食文化の変化など、さまざまな課題を浮き彫りにした今回の赤飯廃棄問題。東日本大震災から15年を迎えたいま、震災の記憶をどのように受け継いでいくのか、改めて思いを巡らせたい。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













