「花嫁の父の巻」(ジャンプ・コミックス第22巻収録)
今回は、亀有公園前の派出所のオヤジさん、大原大次郎が、愛娘の結婚式に臨むお話をお届けする。
彼は両さんよりも年上の中年……イメージされている年齢は50代で、『こち亀』の連載がはじまった1970年代の感覚からすると初老の男性。日本の戦前までの家族制度「家父長制度」のなごりを感じさせるガンコ親父だ。
勤務態度は極めて真面目、趣味は盆栽や将棋、剣道・柔道に秀でておりその腕前は両さんを軽くあしらうほど。
両さんのアバウトすぎる勤務態度はもちろん、享楽的な生き方に対してカミナリを落とすこともしばしばだ。両さんにとっては目の上のたんこぶだが、いざというときには親身になってくれるやさしさもある。
そんな昭和のお父さんである部長だが、長い連載期間のうちにそのキャラクター性に変化が生じてきた。
若者の軟弱な遊びや趣味は全否定! だったのが、大の苦手だったはずのスマホやPC、ゲームに悪戦苦闘しながらも積極的にチャレンジしたり、戦国武将になり切ってサバゲーに興じたり、アロハシャツをまとって「イェーイ」とはっちゃけてみたり、美しい女性警官やピアノ教師にドギマギしたり……と、良くも悪くも人生を謳歌しはじめたのだ。
55歳定年制&平均寿命が60歳代という時代の警察官として登場した部長だが、人生100年時代をにらむ昨今、部長の人生の歩み方も大きく変わってきた。
『こち亀』がはじまったときには、両さんですらはるか年上のおじさんとしか思えなかった読者が、いまや部長の年齢を超えている。そんな半世紀の中で、部長は常にみんなのおじさん、お父さん的ポジションキャラとしてアップデートしてきたのだろう。
さて、そんな部長だが、本作では、ひとり娘・ひろみの結婚式に臨むことに。昭和の父親らしい無骨さ、不器用さの中に、我が子を心から思う心情が溢れており、思わず読んでいるこちらの目が潤んでしまいそうになる。
それでは次のページから、大原部長の「父」としての姿を描いた、珠玉の一編をお楽しみください!!



















