読み聞かせが読書習慣をつくるのか

「幼いころの読み聞かせによって、児童期の読書習慣が形づくられるのではないか」という考えも根強いと思います。

これについては「YESでもあり、NOでもある」というのが私の意見です。

確かに、

●小学校入学前の読み聞かせが多いほど、入学後の子どもの読書時間が長い

という大規模な追跡調査の結果*7があり、間違ってはいません。

画像はイメージです(写真/Shutterstock)
画像はイメージです(写真/Shutterstock)

しかしそこから「幼いころに読み聞かせをしていない子どもに、小学生になってから何をしても無駄」と考えてしまっているとしたら、それは間違っています。

実際、別の研究*8では、全体的には「幼稚園や保育園のころの読み聞かせが多いほど、小学1・2年生時の読書が多く、読書好きである」という傾向がありつつも、幼稚園や保育園のころの家庭での読み聞かせが、

●「読んでくれなかった」と回答した児童のほうが、「時々読んでくれた」「あまり読んでくれなかった」と回答した児童よりも、小学1・2年生時の1カ月の読書冊数が多く、読書好きであった(「よく読んでくれた」と回答した児童とは同程度であった)

という結果を報告しています。

要するに、読み聞かせをするに越したことはないが、読み聞かせは子どもの読書習慣を形成する要因のひとつでしかないので、そのほかの要因によって容易に覆るものだということです。