「バトルみたいなことした」
午前5時半ごろ、ラーメン店のオーナーである佐々木剛さん(58)が出勤した。血まみれ状態のAさんを見て、「何かあったのか!?」と声をかけた。佐々木さんが当時の状況をこう証言する。
「何やってんの?って聞くと、襲われたって言うから、えっ?って思ってさ。最初は昨日飲みすぎて転んだのかな、飲んで転んでどこかに打ったのかなって思ったんだ。普通はそう思うじゃん。誰もクマなんて思わないよ。本人もクマって最初は言わねえんだよ。
でも話を聞くと、『転んでケガした。引っかき傷です』『バトルみたいなことした』って言うんだよ。聞き続けると、『クマを殴ったんです。足技で後ろに投げ飛ばしました』と言い始めて。本人は『仕事できます』と言うけれど、血だらけだし、傷口にバイ菌でも入ったらとんでもないから救急車を呼べと言って、市内の病院に搬送されたわけ」
病院に搬送されることになり、冷静さを取り戻したAさんは救急車を待つ間、「脇腹も痛え、かなり痛え」と連呼していたという。
救急車がラーメン店に到着し、近くの大きい街である八戸市の市民病院に搬送された。診察の結果、Aさんは命に別条はないものの、右目付近を10針縫うケガをしていたほか、脇腹も骨折していたことが判明した。
診察時に医師からは「眉間の傷、骨が見えている」とも言われたという。それでもAさんは入院することなく、その日に自宅に帰れたという。













