片山氏が総裁選で高市氏を支援した経緯

片山氏は東大法学部卒業後、大蔵省(現・財務省)に入省。国家予算案を査定する主計官を女性で初めて務めるなど活躍した。国際局開発機関課長を最後に退官し、2005年の小泉純一郎総理(当時)の郵政民営化の是非を問う衆院解散の際に、“刺客”として送り込まれ、注目された。

片山氏は落下傘候補として静岡7区から出馬し、初当選。ちなみに、この衆院選で激しく戦ったのが、高市政権の同僚となった城内実成長戦略担当相(60)である。城内氏は郵政民営化関連法案の採決で反対票を投じ、自民党を離党していた。

民主党への政権交代が起きた2009年の衆院選でも、静岡7区から出馬したが、保守系無所属候補として出馬していた城内氏に惨敗し、落選した。その後、片山氏は2010年の参院選で、比例区から出馬し、国会に戻った。安倍政権時代の2018年には内閣府特命相を務めた。

そんな片山氏が、総裁選で高市氏を支援したのはなぜだったのか。

2005年に“刺客”として送りこまれた片山氏(共同通信社)
2005年に“刺客”として送りこまれた片山氏(共同通信社)

「片山氏は当初、『誰の推薦人になるつもりはない』と周囲に言っていましたが、その後、『清和会(旧安倍派)から頼まれた』として、高市さんの推薦人になったと聞いています」(旧安倍派関係者)

もともと片山氏は旧二階派の所属だったが、2022年に脱退。その後、旧安倍派に入った経緯がある。こうした経緯があったため、派閥パーティを巡る裏金事件とは無関係だった。そのため、高市側としても、推薦人として名前を出してほしかった面があったのだろう。

とはいえ、片山氏といえば、財務官僚時代、若手官僚が怒りっぽい上司をランク付けした怪文書「恐竜番付」の常連として知られた人物でもある。参院外交防衛委員会の委員長時代には、2度遅刻するなど、何かと“お騒がせ”な面もある。

「片山さんは激しい人ですから、議員になってからも、秘書の入れ替わりが激しいことで有名。ごく短期間でやめる秘書もいた。彼女はいろいろな議連を掛け持ちしており、片山事務所はとにかく仕事量が異常に多い。

片山さんが秘書を厳しく叱責するのを見かねた知人が『ちゃんと説明しないと、秘書さんもわからないよ』と助言すると、片山さんは『忙しいから、1から10まで説明してられない。全部言わなくても、わかってくれなきゃ』という感じだった」(自民党関係者)