「ポスト高市」レースには不利? 手足を縛られ…
政界きっての政策通として知られ、外交・安全保障にも詳しい高市氏だが、なぜ能力が不安視される進次郎氏を防衛相に起用したのだろうか。全国紙政治部記者はこうみる。
「まずは『挙党体制』『党内融和』を演出するためでしょう。総裁選では当日まで進次郎氏が本命とみられていたくらい、進次郎氏を支持していた議員は多かった。それだけに進次郎氏を重要閣僚に就け、『進次郎派』にも一定の配慮をした形です。
また、中国や韓国もタカ派の高市首相を警戒しているなか、自身に近い議員を防衛相にするよりは、タカ派色の弱い進次郎氏を就けることで、各国を刺激しないねらいもあるとみられます」
首相の座を目指す進次郎氏にとっても、避けて通れない安全保障分野の経験を積むという意味で、望ましいポストといえそうだ。
だが防衛相を務めるということは、諸刃の剣でもある。
「防衛相は北朝鮮から飛ばされるミサイルへの対応、災害時の自衛隊の対応など危機管理対応が求められるポジションです。それだけになかなか東京を離れづらい。一方で海外出張も多くあります。総裁選で課題となっていた党員票の掘り起こしはしづらいのではないでしょうか。
党内基盤が十分でない高市氏としては、総裁選で2位になった進次郎氏の“次”に向けた動きは脅威。進次郎氏を身動きの取りづらいポジションに置き、ポスト高市に向けた動きを封じようとするねらいもありそうです」(同)
高市首相も石破前首相も、無役の時期や党の役職を務めていた時期に地方での講演会や選挙の応援に回っていた。その際にできた地方議員や党員とのつながりが総裁選での党員票獲得に生きたが、防衛相の立場ではそうはいかないというのだ。