同じ事務所で同期・ラーメンズについての本音
――同期が辞めてしまったりもする中で、お二人は続けてこられました。そういった中で「この人が辞めたのは印象深かった」というエピソードはありますか。
やつい 一番近くで言えば、やっぱりラーメンズですね。小林(賢太郎)がプレイヤーを引退して、ラーメンズをもうやらないってなったときは驚きましたね。
――やっぱりお二人としても衝撃だったんですね。
やつい まあ近いところにいたので、中の事情は知っていましたけど。
今立 遅かれ早かれだった……っていう感じでしょうか(笑)。大人になれば普通だったら角が取れて丸くなるじゃないですか。でもあの二人は、「あれ? 丸くならないな、むしろ角ばってきてるな」って思いましたよ(笑)。
――ラーメンズさんは特殊なパターンですが、その他にもたくさんのコンビが解散していくのを間近で見ていたかと思います。なにか共通点とかはあるのでしょうか?
やつい 結局は、解散するコンビで仲がいいところなんてないんじゃないですかねぇ。ある程度売れていて、食べていけているのに辞めるって、なかなかない。普通はその前に辞めちゃう。
今立 確かに辞めていった人はたくさん見てきました。ただ、僕らは同期の芸人たちと同じフィールドにずっといたわけではなくて、途中から少し違う方向に行ったので、細かい事情までは分からないんですけどね。
――私の調べた限りだと、25年連続でこの規模の単独ライブを続けているのはエレキコミックさんだけなんです。年上のバナナマンさんもコロナ禍のときに連続記録が途絶えました。
今立 でも、コロナのときはタイミングというか、運がよかったんですよね。
やつい そう、一度キャンセルしてたんです。無料でキャンセルできるタイミングがあってバラしたんですよ。で、みんながやらない時期にポンと空きが出て。普通は出ないんですけどね。それで「じゃあ俺らやるわ」って。やると決めてから1か月くらいで開催しました。「またすぐ中止になるかもしれないから、今やろう」って感じで。
――もはやこの連続ライブの記録、日本一なんじゃないですか。ギネスにも挑戦できるのでは?
やつい いやもう、寿命との勝負ですよ(笑)。僕、ずっと言ってるんですけど「長生きして同期がみんな死んだら俺の勝ち」だって。とにかく長生きすることだけを考えてるんです。同期が全員いなくなって、最後の地平で僕らがまだライブをやってたら、それはもう勝ち。上下関係も何もない。「だって俺ら生きてるから」っていう。それだけを25年間ずっと考えてきました。
今立 いやでも、まだまだみんな元気ですからね(笑)。
――なんでここまでやり続けられるんですか?
やつい 僕はやったことをずっと続けるタイプなんです。自分が決定権を持っていることは特に、全部続けてきました。