「大学に1年通いましたが、色々あって辞めてしまいました」
安藤容疑者は昨年母を亡くし、以降は隣家に住む祖母の家と行ったり来たりの生活だったという。祖母が取材に重い口を開いた。
「私が陸人と最後に話したのは28日の朝7時すぎでした。いつもと変わらず『行ってきます』と仕事に出かけていきました。陸人に何かあったのかなと思ったのは29日の夕方のことでした。
警察がウチに陸人の行方を知らないかと訪ねてきたんです。その足で私たちも警察署に行ってしばらく待っていると、陸人がはその日の夜遅くに車で福井から京都に行って事故を起こし、それで居場所がわかったようです。
警察官は私たちには事件の詳しいことは話さずに、そのまま帰されたんですが、気になってネットでニュースを調べてみて事件を知りました。本当に信じられないというか……何があったのかというのも私も知りたいくらいです。
こんなことになってしまって被害者のかたには……本当に申し訳ないとしか言えないです。ご家族の方に対しても大事な大事な娘さんを……こんな形で奪うことになってしまって……。ただ、ただ申し訳ないです」
祖母の知る安藤容疑者はどんな人物だったのか。
「私は陸人が小さな頃からずっと接してきましたが、おとなしく真面目で優しい子でした。誰かに乱暴を振るったり暴力的なことをしたことはありませんし、あんな事をできる子ではないと思っていたのですが……。小学校から高校の途中までサッカーをやっていましたし、運動は好きだったと思います。
高校卒業後は愛知県内の大学に1年通いましたが、色々あって辞めてしまいました。その後はしばらく何かなりたいものがあるとかで勉強をしていましたが、それもうまくいかなかったようです。それで年末年始の短期でスーパーの食品関係のアルバイトを自分で見つけてきたんです」
安藤容疑者は東川さんとそこで知り合い、祖母にもその関係を打ち明けていた。
「そのバイトは昨年の12月中頃から2ヶ月ほどの短期バイトで、そこで被害者の方は社員で働いていて出会ったと聞いています。スーパーのバイトを辞めたくらいの頃から時々その女性と会って遊ぶようになり、徐々にお付き合いするようになったと言っていました。
本当につい最近まで彼女との関係で悩む様子などなく、出かける時は私らに必ず『今から彼女に会いに行ってくるね』と本当に最近まで楽しそうに出かけて行ってました。お互い休日が不定期で、頻繁には会えなかったようですが、かえってそれを楽しみにしているように見えました。相手の家に泊まってくることもありましたが、結婚するとかそういう話をしていたことはありません」
安藤容疑者は資格試験に向けて勉強も続けていたという。
「直近で言えば陸人はパートをしながら仕事に役立つ資格取得のために勉強をしていました。仕事からすごく疲れた様子で帰ってきても『やりがいがある』と私に言っていました。去年に母親が亡くなったこともあり、自分自身でもしっかりしないといけないという思いがあったように見えたし、頑張って自分の生きる道を探しているように感じました。
彼女との間にトラブルがあったように見えませんでしたし、怒ったり感情的になるところも今まで見たことなかったので……。お金に困っているとかそんなそぶりもありませんでした。むしろ、これまでは親に出してもらっていたけど働き出してから『自分のことは自分で出す』と言うようになった。
孫びいきなのかもしれませんが、自分の置かれた環境下で一生懸命にやっているように見えたんですけどね……。陸人の顔をニュースで見るたびに胸が苦しくなります」
いっぽう東山さんの知人は「素朴で明るくて優しい子でした」「今まで本人のSNSに彼氏と思われる人物が載っていたことはなくニュースを見て彼氏がいたことを知りました」と事件にショックを受けていた。
安藤容疑者と東川さんの間にどんなトラブルがあったのか。県警の調べが待たれる。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班