龍二の強さと弱さを表現するバランスが難しい

――龍二という役に向き合う上では具体的に、どういう表現で難しさを感じますか?

ずっと難しいです。お父さん役の香川(照之)さんと対峙するシーンはやっぱり緊張しますし、お父さんに対して信念の強さをどこまで出すのかとか、全員に対しても、楽しい感情をどこまで「楽しい」って出していいのかとか、バランスが難しいですね。龍二は、思ったことを勢いで言えない性格ではあるけど、考え方や人への向き合い方は真っ直ぐな人だから、その強さと弱さを表現するのが課題です。

『六本木クラス』のキーパーソン役に挑む鈴鹿央士。悩みながら進化する役者の今_3
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――龍二のような二面性を持つ役だからこそ、鈴鹿さんの役者としての課題も相まってなおさら難しいと感じますか?

そうですね……だから、僕の悩みが龍二に影響しないように気をつけてます(笑)。

――本当ですか! モヤモヤした気持ちも、龍二の葛藤を表現する上でいい方向に作用することはありませんか?

う~ん、どうですかね……僕の方が揺れすぎてるかもしれないです。

――龍二以上に揺れてるわけですか!

はい。いつも「どうする? どうする?」ってなってます(笑)。

――反対に、龍二を演じる上での面白さや、やりがいに感じるのはどんな部分ですか?

みやべでみんなと働いているシーンや、ワチャワチャしたシーンは楽しいです。葵のことが好きな気持ちや、社長(宮部新)への信頼を感じているときもそうですね。竹内(涼真)さんはすごくどっしり構えてくれているし、てっちゃん(平手)も、葵として愛があるので、お芝居を「どうしよう?」って迷っているときも、ふたりとのシーンではプラスな気持ちになれます。そういう楽しさは、やりがいにもつながってますね。